盲学校の鍼灸手技療法科との交流

こんにちは!

東京医療専門学校(以下、呉竹)に通うshumanismです!

学校の紹介で盲学校に行ってきました。盲学校では、同じく鍼灸あん摩マッサージ指圧を学ぶ学生と一緒に授業を受けました。そこで学んだことや気づきを記事のようなものにして発信できたらなと思い、まとめてみました。


1. どこいったの?

今回伺ったのは、護国寺にある筑波大学附属視覚特別支援学校 様(以下、盲学校)です。土曜日であるにもかかわらず、準備やお出迎えをして頂き、本当にありがとうございました。

画像1


駅周辺は、いろいろが学校があるようで、学生さんがわんさかいました。池袋にも近いので、放課後は池袋にでもいくのかな。


2. なにした?

呉竹からは目的やテーマ、スケジュールなどもしっかり設定されていまいたが、ここではくだけた形式で書きます。今回は、呉竹の学生(4名)と盲学校の学生(3名)で3ペアを作り、以下のことをしました。

①図に記されているデルマトーム領域の中から、L3~S1を盲学校の学生の体に触れながら場所を伝え、図の対象領域を文章にして表す。

②角度計を使って、盲学校の学生の肩関節の可動域を測ってみる。

③雑談、情報交換  ←★これが本当に大切!!

3. ①のデルマトームに関する授業について

画像2

正直、自分の語彙力と知識不足を痛感しましたが、とても楽しく取り組むことができました。私のペアのSちゃん(男)は、拡大鏡を使い、白黒反転した文字であれば、読んだり、書いたりできる学生でした。(後から知りましたが、彼らは全員スマホも使えます。Z世代はすごいです。まじで。)

それぞれの結果はともかく、目で得た情報をどう伝えるか必死に考えました。「L3の神経支配領域は腸骨のこの辺りから、こんなラインで~」と触って伝えるのはいいですが、その曲線?というか支配領域の境界をどう言葉に落とし込むかが、両学生共に苦戦しました。

制限時間もあったので、S1神経領域に関しては、「下肢後面と第5指」と私たちはまとめてみましたが、他のペアは「仙骨のあたりから腸骨に沿って後面通って」とより具体的になっており、イメージをしっかり言葉に落とし込む重要性を学びました。

③の雑談の時に、視覚障害のある先生からも、「学会等でPowerPoint資料を使って説明する人が『この図の●●はこうで、ここの写真のように~』と指示語を使って説明されてもわからないんだよね」と伺い、図でイメージをもって理解するところで終わるのではなく、自分の言葉に落とし込んで説明できるようになることがとても大切だと改めて感じました。

盲学校の学生からも、「触ってもらって、自分の持っているイメージとの差を認識することができた」と声がありました。彼らは点字や文字から得た情報からイメージで認識しているようで、正眼の私たちとその認識を合わせる機会がとても有意義だったようで、気づきをたくさんもらっていたので、彼らに気づきを与えることができたことも嬉しかったです。

4. ②の角度計を使った授業について

画像3

こちら盲学校の学生が普段使う角度計を使って、呉竹の学生が目を閉じて肩関節屈曲の可動域を測ってみる授業でした。目を閉じたら、肩峰を探すのも大変だし、患者役のSちゃんの肩が屈曲していくにつれて、前額面が水平になっていなかったり、角度も上肢を触りながら正しく角度計が開けているか確認するといった気づきがありました。

角度計もすこし特殊なもので、開いたらその角度で固定でき、点字のような目印が数字のところについています。その目印を触って角度を把握していて、障害があっても正眼と同じように検査ができるように、様々なことが工夫されているんだなと勉強になりました。

普段、私たちは目で情報を把握することに慣れているので、目印を触って、角度が把握したり、そもそも点字の読み書きできるのって、相当手の感覚が鋭敏になるまで訓練を重ねないとできないよなーと思い、盲学校の学生と先生たちは、それを習得しているので本当にすごいなと感じました。(新卒の時に、ブラインドタッチがだめだめだったので、必死に訓練していた自分を思い出しました。)

5. ③雑談、情報交換←★大切★

知ってる方もいるかと思いますが、盲学校の学生は、全盲(なにも見えない)人は多くないそうで、視野が狭かったり、色が識別しずらかったり、焦点が合いずらいといった方が大半です。

なので、先ほども書きましたがスマホにある機能を使って、LINEもゲームも調べものもできます。以下の機能がとても便利と言っていました。普段、使わない機能もあるので、改めてバリアフリーって身近に点在しているんだなと感じました。

・ボイスオーバー(M氏伝授):
 スマホ画面の指を置いた箇所を読み上げてくれるiPhoneの標準機能です。
・白黒反転(Sちゃん伝授):
黒バックの白文字に変換してくれます。
・カメラのズーム機能(Aちゃん伝授):
見ずらいものは撮って、拡大して見るそうです。
・ブレイブメモ(Aちゃん、先生伝授):
シンセサイザーみたいな、かっちょいい読み書きができる機械です。USBも使えるので、読めるみたいです。触らせてもらえばよかった……。(画像参照)

画像4

また、盲学校の先生が筋の走行がわかるように、筋肉の形に切ったフェルト生地を発砲スチロールに付けている模型もありました。これはすごかった。生地の素材を筋によって変えて、触れば筋肉の違いが判るようになっていたり、識別できるように色を配置してるそうです。先生の愛と熱意がこもっているなと感じました。

また雑談や質疑応答でこんなこともわかりました。これは、ぜひとも共有したくて、以下にまとめました!

・夜道で普段から通り慣れている道でも、想定外の障害物(自転車など)があると、自分の向かってる方向や位置が把握しずらくなってしまう。
・駅では、駅員が目的地までバトンタッチで手伝ってくれる。(これは初めてしりました。)ただ、目的地は初めての場所だと、不安もあるし、時間が掛かってしまう。
・白杖は使っていて進むことができるが、垂れ下がっているものやトラックの荷台などは白杖でわからないことが多く、ぶつかったり、怖かったりすることがある。
・移動をサポートする時は、こちらからつかまない。すこし触れてもらって進めばOK。触れながらついてきてくれるます。スピードは人によって違うけど、普通に歩いてもいいそうです。ただ、段差がある場所では、減速して止まり、下る段差か上る段差かを伝えて進んでくれると助かるとのこと。
こういった簡単なサポートのお作法?のようなものも知ることができました。
・学生は療制で、外出可能時間がかなり厳しい。だから行ける飲食店やお店が限られているそうです。また、ラーメンを食べに行きたいと言ってくれたSちゃんに「食券機とか見ずらいよね?」と聞いたら、うなずいていました。
一人のラーメンオタクとしては、これは大きな機会損失だと感じました。お互いに忙しいのでタイミングを見てとなりますが、一緒に行きたいなと思っています。(池袋の花田、屯ちん、俺流塩ラーメンあたりかな)

長々といろいろと書きましたが、とても有意義な授業と貴重な経験、気づきを頂く機会となり、本当に参加してよかったと感じます。

筑波大学附属視覚特別支援学校 の先生および学生の方々、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?