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八一王戦A級 第2局 対tottoroさん

前期のA級では負けた相手との対局です。

序盤①・居飛車の選択

最初は予想通り進みましたが、居飛車が4六歩でじっくり指す展開を選んできました。
5七、4七銀の二枚銀の構え(1図)で、こちらはいつも通りの向かい飛車。
こちらに捌かれるのを警戒した駒組みだったように思います。

1図

序盤②・振り飛車も十分だった

お互い玉形を整えて、本格的に居飛車が抑え込みの体制に入ってきました(2図)。

2図

歩を突いて攻めの姿勢で来たので、飛車を回って対応しました。ここで7七角と間合いをはかってきましたが、5四歩と2枚目の歩をぶつけたのが第一感で最善の手でした。

3図

実戦は同歩(3図)と対応してきましたが、4五歩、同形、8八角成、5三桂成と一直線のたたき合いで振り飛車よしのようです。実戦で選ぶのは難しいですが。
よって実戦は同金と取り、4四歩、同金、4五歩、5四金と進んで互角の形勢でした。

中盤・急所を誤る

進んで4図。

4図

実戦は2二飛と回り2筋交換を目指しましたが、ここは5二飛と中央でにらみ合うべきでした。
こちらも勢力では負けていないためこれからの勝負でしたが、実戦は浮いた金を狙われて、対応を誤りリードを奪われてしまいました。

終盤①・攻めを切らせず

中盤は居飛車優勢でしたが、玉頭への攻めで居飛車のミスが重なり、居飛車リードくらいまで差が縮まりました。

5図

5図では互角までもどっていて(-150程度)、ここから攻めがつながるかの勝負になりました。
実戦は8四銀とかわしましたが、6六歩と根元の桂をとるのも有力でした。
以下7三歩成、同飛で、5二の桂のおかげでうまく隙間を埋められています。
7四銀、4三飛、7六銀と進んで6図。

6図

ここで4四飛が有力でした。
3四の銀にあてて、先手玉をにらむ筋を残す最善手で、以下2五銀、5六歩、同金、6七銀と進んで後手有利でした。

終盤②・最後の勝負を逃す

7図

進んで7図が最後のチャンスでした。
再び居飛車有利となりましたが、攻めが渋滞し、飛車の利きも大きく、互角でもうひと勝負という局面です。
ここで7四歩と怪しく迫るのが勝負手で、秒読みのなかでミスを誘うのが筋でした。
これを逃すと、ターンは回ってきませんでしたね。

総括

形勢判断を悲観しがちなこと、秒に追われて強く勝負できなかったことが敗因でした。

評価値


 

終わりに

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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