#135 チャンス(加藤匠人/4年)
2021年6月17日午前11時。
柏レイソル内定のリリース。
これは夢なのか。色々な方からメッセージが送られてくる。人に会うたびにおめでとうと言われる。やはり現実だ。
サッカーを始めた頃からの夢であり、目標にしていたプロサッカー選手という職業を自らの努力で勝ち取ることができた。嬉しさ、ホッとした気持ち、愛するレイソルに戻れる誇らしさ、あまりにも多くの感情が自分の中から湧いてくる。しかし、それだけではない。プロ内定というプレッシャー、筑波を勝たせられないもどかしさ、何とも言えない感情が複雑に入り混じっていた。
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自己紹介遅れました、加藤匠人です。
2021年は副将を務め、小学5年生から高校卒業まで柏レイソルアカデミーでプレーし、筑波大学に一般で入学。そして、来年からはレイソルでプレーすることが決まっています。
「まさか自分がレイソルに戻れるなんて。運が良かったです。」
これは送られてくるメッセージに対して、感謝の気持ちと共に送信することが多かった文章です。
「運が良かったです」と言って謙遜するような、自分を卑下するような、はたまた自信の無さを表すような微妙な文章。そういう意味合いはなかったのに、なぜか多くの人に送ってしまった。それほどチャンスは突然やってきて、あまりにも早いスピードで人生が変わったのです。
一般的な就活も同時並行で進めながら、これからの人生について真剣に悩んでいた時期。
レイソルに練習参加したいと思っていた矢先に、練習参加の連絡をもらい、参加直後には練習試合への参加。人生が懸かった出来事が突然目の前にやってきたが、焦りはなかった。
なぜならチャンスはいつも突然やってくるものだと考えていたし、その準備を毎日してきたつもりだから。あとは後悔のないように全力でアピールして、やり切って結果を待つだけだった。
今思えば、大学の関東リーグデビューも、2年の開幕戦で点を決めたときも、2年時のインカレでの左WBでの起用も、いきなりやってきた目の前のチャンスをものにできたからこそ試合に出て、結果も残せたと思います。
もちろん、チャンスをものにできない場面だって山程あったし、苦しい時期を過ごした日々もあったし、むしろ苦しいこと、上手くいかないことの方が多かったです。
そんな自分はチャンスをものにするためにやっていることがあります。
それは、「運を必然に変えるための行い」です。
チャンスがやってくるのも、結果が出せるかどうかも、全ての物事には運の要素は絶対にあると自分は思っていて、それなら運を必然に変えればいいじゃんという単純な考えで、綺麗ごとかもしれません。具体的な行いとは、目の前のゴミを拾ったり、他人のために動いてみたり、ポジティブシンキングしたり…。
当たり前のような、誰もが行うようなことかもしれないですが、そのようなところに、些細なところに何かがあると自分は考えています。
プロの世界は厳しいし、ライバルも多い。より厳しい環境で簡単に試合に出場できるとも思っていません。
それでも、突然やってくるチャンスに向けて、運を必然に変えるために、準備をし続ける。そしてチャンスをものにして、チームの勝利に貢献し、みんなとサポーターと喜びを分かち合う。
結局はすべて自分次第の人生で、これからも自分らしく運を必然に変える行動をし続けて、チャンスをものにできるように、頑張っていこうと思います。
長くなってしまいましたが、読んでいただきありがとうございました。
筑波大学蹴球部
体育専門学群4年
加藤匠人
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