ある女のはなし
ある駅の近くで
男は声をかけられた。
わたしを、かってください
男はビックリした。こんな小さな町で
そんなこと....
いくあてがないという。
男はとりあえず自宅へ連れ帰る。
家には両親がいた。
男はバツイチ。下心もあったかもしれないが
女の身の上を聞いて連れてかえったようだ。
女には子供がいた。
都会で同棲をして、子供ができ、その相手にすてられたと。
子供と一緒に自分の親のところへ帰っていた。
しかし親と折り合いがつかず、子供をおいてでてきたのだ。
女は家に居着く。
そして男と一緒になるという。
やがて子供も引き取った。
男の両親は血の繋がらないその子供の
世話を一生懸命した。
女も仕事へでたから
両親が保育園の送迎もしていた。
周りからみれば、再婚してうまくいった夫婦であり家庭にみえる。
男はボウリングを趣味にしていた。
女にもボウリングをさせて
二人ででかけることもしばしば。
もちろん子供はあずけて。
そうあの日を境にそれは崩れていく。
そう悪夢の日。
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