20220729
金曜日はいろんな人の1週間分の日記がニュースレターで届く日。面識もないし、生活圏も家族構成もまるで違う人たちの生活の断片を、少しだけ知ることができて、彼らに思いを馳せる日。わたしも日記を書く。
昼間、映画館でいつも通りの作業をしていたら、探究学習中だという高校生4人組がきた。どうやらこの街のマップを作りたいらしい。自分も高校生の時に似たようなことをしたことがあったので、気になって学校名を聞いてみたら全然同じ高校とかではなくて、電車で40分くらいかかる街から来た高校生たちだった。軽く案内したら彼らは映画館を一度あとにしたのだけど、ちょっとしたらまた戻ってきた。何だろう?と思ったら、彼らが作っているのは数珠つなぎマップ?らしくて、行った施設の人に近くのおすすめスポットを聞いて、次はそこへ行く、というマップを作ろうとしているみたいだった。なかなか素敵なマップを作ろうとしているじゃないか。ちょうどお昼ご飯を食べたくなる時間帯だったので「おすすめのご飯屋さんありますか?」と聞かれ、咄嗟に思いついた近くの町中華を教えてあげたら、「教えてくれた人の写真」も撮らせてくださいということで写真も撮られてしまい、そのまま彼らは町中華の方面へと消えていった。思いがけず写真を撮られてしまったのはちょっと恥ずかしかったけど、どんなマップが出来上がるのかは気になるなあ。またいつか来てくれたら嬉しいな。
教えた町中華はカウンターしかない狭い店なので、彼らは無事食べれただろうか?と何となく気になっていたら、わたしもその町中華に行きたくなってしまい、退勤して夜の回の映画を観る合間にチャーハンを食べに行った。チャーハンを待つ間いつものように本を読んでいたら、隣で晩酌していたおじちゃんが、こんなところで読書してる姿を珍しく思ったみたいで「何読んでるの?」と聞かれた。いつもは文庫本(最近は岩波文庫のマルクス・アウレリウス・アントニヌス『自省録』を読んでいます)を持ち歩いているのだけど、今日に限っては、買って満足して全然読めていなかった、四六判のバウハウスの解説書を読んでいたのできっと変な人だと思われた。そしたらそのおじちゃんと店の大将とで、「俺ぁ全然本なんて読まねえよ〜すげえなあ」「俺なんか学生の頃『太宰治』の読み方がわかんなくて、そっから諦めちゃったねぇ」なんて盛り上がる。全然本は読まない、と言いながらも「でもちゃんと本読んでいないと使える言葉も増えていかないよねえ」なんて、まさにわたしが本を読む目的を言い当ててくるおじちゃん。町中華で本を読んでいると、ごくたまにこんな楽しいことが起こります。
今日起きた印象的な出来事を書いてみたら随分と長くなってしまいました。明日も朝から仕事です。おやすみなさい。
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