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約3年ぶりにBUMPのライブに行った話①

 2021年11月14日、僕は画面越しでBUMP OF CHICKENの4人が演奏しているのを観ることができた。4人しかいない空間で計5曲奏でられたあの時間中僕は「またライブに行きたい」としか思っていなかった。
 初めてライブに行ってみようと思った2018年PFツアーの抽選はかすりもせず、次の2019年Aaツアーでやっとチケットを取ることができた。ライブ歴ではまだまだ新参者だが、いつの間にか曲を聴くことが生活の一部になっていた僕にとってはこの配信ライブでは物足りなかった。
 配信が終わった後、余韻に浸っていた僕はいつものようにプレイリストを流していた。何気なく開いたインスタを見ておもわず声が出た。2022年2月10日そしてバンド結成26周年記念日である11日に約2年3か月ぶりの有観客ライブを行うことが発表されたのだ。

 頭の中が真っ白になった。コロナ禍になってまともにライブに行けていなかった僕にとって生で4人の奏でる音楽を聴くことができるそんな機会を逃すわけにはいかない。幸いにも部活を引退した後だったのでその日は開いている。抽選に必要なシリアルナンバー付きのシングルを買うならタワレコが一番楽だろうとわざわざ往復約2000円ほどのお金と2時間ぐらいの時間をかけて予約しに行った。たった2日、しかも会場はキャパがそんなに多いわけではない幕張メッセ。当たる気はあまりしなかった。ただ、無心で応募した。
 1次抽選は全て外れた。やっぱりなと気持ちが沈んだ。まだチャンスはある、そう切り替えて2次抽選に申し込んだ。
 流れ作業のように当落のメールを確認しようとした矢先、"当選"の文字が見えた。2月10日A指定席、1人。書いてあった文字は小さかったが内容は非常に大きかった。


 これでめでたく約2年半ぶりに生で4人が奏でる音楽が聴けた!で終わっていればまた別の感情を抱いていたであろう。そうはいかなかった。オミクロン株の蔓延によりライブが延期になったのだ。チケットは取れていたが振替公演がいつになるのか分からないので、4年生になって忙しい時期と被ったら。。。と少しネガティブな感情を抱くようになってしまった。
 4年生になった直後、振替公演の日程が決まった。が、やはり不安は的中した。振替後の日にちである7月2日は院試と見事にドン被りしていた。院試が14時までに終わらないと幕張には行けない。翌日に変えようと思っても、その日に行けない人が払戻した分だけ再抽選という当たる気が全くしないくじを引くことになる。悩みに悩んだ結果、何がなんでも2日に行くことに決めた。

 院試を受けるためにはTOEICのスコアを一定以上にする必要があった。4月に受験しなければ出願には間に合わないため勉強を急いだ。
 しかし、スコアは全然足りなかった。よって院試は受けられない。緊張や焦り、ただ単純に勉強不足だったなど様々な理由はあったが、結果は結果。自分ってこんなもんなのかと激しく責めた。院試を終わらせ晴れた気持ちで飛行機に飛び乗り感動を味わう予定だった7月2日は丸一日空いてしまった。行ける保証はできたので喜んでもいいはずだが、周りは院試を受けている中自分だけがライブに行って楽しんでいるそんな罪悪感だけが強く心に残った。


 7月1日になっても気持ちはあまり上向きにはならなかった。嬉しいはずなのにもやもやした気持ちが大きいまま僕は早々と研究室を後にし東京へ向かった。

②へ続く

0709#3