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密教の世界へのパスポート?「お授戒」ってなに?高野山での貴重体験

高野山の「高野山大師教会・授戒堂」というところで、「授戒(じゅかい)」をしてくださると聞き、体験してきました。

授戒というのは、webサイトによると

仏さまの示された戒めの教え(戒)を阿闍梨さまから直接授かり法話を頂く儀式です。年間を通じていつでも参加できる最も高野山らしい体験(修行)の一つです。
ここで授かる十箇条の戒めを「菩薩十善戒」と呼びます。かの慈雲尊者(じうんそんじゃ)も仏教修行の一番平易で身近な実践として、たくさんの民衆へこの戒めを護持するようにすすめられました。その戒は、いずれも現代の人々にこそ思い出してもらいたい規範であり、このような戒めをすべての人々が心がければ、素晴らしい社会の実現に大きく近づきます。そういった「仏の心の在り方」を説くのが「戒」の教えです。

https://www.koyasan.or.jp/experience/

「戒律」という言葉があります。「戒」と「律」という二つの規範を総称した言葉です。「律」というのは、「してはいけないこと」としてルールをまとめたものです。一方、「戒」は決まりごとというよりもむしろ「自らのこころが本来的に持っている自発的な働き」のことをいいます。ルールというよりも、もっと本質的な心の部分、つまり、「ほとけの心の在り方」なのです。

高野山大師教会では、毎日阿闍梨さまによって「菩薩十善戒」のお授けがなされて、誰でも参加することができます。

実施時間は
第1回 午前9時 第2回 午前10時 第3回 午前11時
第4回 午後1時 第5回 午後2時 第6回 午後3時
第7回 午後4時

所要時間は約30分です。

菩薩十善戒

大師教会でお授けしていただける十箇条の戒めである「菩薩十善戒」とは、以下の通りです。

不殺生(ふせっしょう)
生きとし生けるものを殺さない

不偸盗(ふちゅうとう)
盗んではいけない

不邪淫(ふじゃいん)
倫理を失った関係を持ってはいけない

不妄語(ふもうご)
嘘をついてはいけない

*以上の4つは「淫・盗・殺・妄」という一括りにされ、特に重要です。

不綺語(ふきご)
お世辞など、無益なことを言わない

不悪口(ふあっく)
悪罵しない

不両舌(ふりょうぜつ)
二枚舌を使わない

不慳貪(ふけんどん)
むさぼらない

不瞋恚(ふしんに)
怒らない

不邪見(ふじゃけん)
「間違ったものの見方」をしない

いわれてみればその通り、極めて道徳的なことばかりなのですが、できていないこともあります。そもそも肉食をするということは、命をいただいていることですし、物が溢れるこの物質世界で生きていると、物がある方が豊かだと思ってしまいがちです。

”奪って誰かを悲しませるより、むしろ与えて喜んで貰った方が、我々の心もまた満ち足りるのだ”というのが菩薩の精神なのだそうです。

また、弘法大師さまの言葉には、「戒をたもつ(持戒)」という言い方はありますが、「戒を守る(守戒)」という言い方はないのだそうです。「戒」は決まり事ではないのだから、守るものではなく、自らの心の中にほとけと同じ性質のものがあることに気がついて、その状態を維持することが大切だということだそうです。

授戒体験後には、弘法大師さまの教えを受けた証として「菩薩戒牒のお守り」を授かることができます。仏教って、知っていると良い生き方ができるのですね。ちゃんと勉強したいな…

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