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東京03リモート単独公演『隔たってるね。』感想

凄まじいものを見てしまった。東京03のリモート単独公演『隔たってるね。』は、緊急事態宣言下で仕事が減った中で、「元々は趣味で作っていた」4本のリモートコントを、YouTubeで生配信する形で行われた。これがもう、抜群に面白い。映画界での『リモ止め』に続いて、お笑い界でパラダイムシフトが起こる瞬間だった。今のコント界の頂点たる、東京03の地肩の強さを見せつけられた。

既に多くのお笑い芸人がYouTubeチャンネルを持っているし、リモートで収録された面白い動画もアップロードされているのだけれど、どうしてもバラエティに寄った企画になりがちだ。それも当然で、漫才とコントの肝である間がズレてしまう分、編集を入れられる形式の方が有利に決まっている。「リモート漫才」「リモートコント」も上がっているけれど、どうしても間がズレていたり、テレビや劇場で見るネタの方が面白いんじゃないか、と思う瞬間はある。

こればっかりは仕方ないと思っていたのだけれど、今回の単独リモート公演『隔たってるね。』はちょっと次元が違った。ある意味では、この単独ライブはリモートで本ネタ並みのクオリティが出せるかの挑戦だったとも言えるけれど、そのハードルを軽々と越えている。「リモートでしか出来ない面白さ」と一括りにすること莫れ、間、料理、小道具、演出、絵、音楽の何もかもが、単独ライブ並みの豪華さと細かさなのだ。さも当然のようにギミックが飛び出してきて、その全てにリモートコントである必然性があり、全て面白い。完璧で、末恐ろしい完成度だった。感心・感動すら覚えてしまう。

それにしても、このクオリティのライブ配信が「出来てしまった」のが衝撃だった。それこそ、コント村の人たちに対しては物凄いインパクトだったのではないだろうか……と思ったけれど、既にTwitterに投稿されていましたね。これから、コント界の人たちが新しい作品を作っていくのかもしれない。そうなったら嬉しいな…。

いやはや、こんなに凄まじい単独ライブになるとは思わなかった。東京03の単独公演というだけで期待値は高かったけれど、良い意味で裏切られた。プロフェッショナルのお笑いをリモートで見られたのだから、驚きしかない。本当に一度も会っていないのか、本当にたった10日間で作ってしまったのか。信じられない。見終わった後には、ただただ余韻で呆けてしまった。とにかく、見ていない人は見てほしい。1時間ちょっとの中に、東京03の面白さと凄さが詰まっている。

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