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【とんかつ成蔵】に行ってきた!東京・南阿佐ヶ谷


少し焦っていた。GoogleMapが示す到着時刻が10:31分だったからだ。たかがとんかつを食べに行くのに、予約もして、こんなに引き締まった気持ちで行くのは、人生で初めてのこと。

新阿佐ヶ谷駅と言う、存在すら初めて知った駅を降り、早足で歩くと、ちょうどお店の外の椅子のところで、他のお客様が注文をしていた。

間に合った。6つあるとんかつの種類から、2つまたは3つを選んで注文する。それぞれ5000円、6200円。基本的にひとつ80g。ミルフィーユかつは60-70g。どれを選んでも値段は変わらない。

とんかつの概念がくつがえされる

特ロース、シャ豚ブリアン、チーズミルフィーユかつを選んで、程なく中へ。カウンター席に座った。僕にはとんかつ2つと言う選択肢はなかった。

特ロース
シャ豚ブリアン
チーズミルフィーユかつ

これ以降の様子は、お店に行って体験する人の特権なので、詳細は記さないけど、普段食べている、一枚をカラッと仕上げ、7-8切れ前後に切ってあって、800円から〜3000円くらいで食べるとんかつとは、全くの別物。

そう言って良いと思う。

普段よく食べるとんかつは、とにかくあのサクッとした歯応えと、ボリューム、ソースの味、シャキシャキとしたキャベツを味わいたくて頼んでいる。

しかし成蔵は、とにかく、メインである『豚かつ』を最高に美味しくいただくための、流れがある。

肉厚で、ジューシーで、柔らかくて、甘くて、とにかく『豚』の存在感がすごい。僕の中では、ほぼ主役級だった衣の存在も、成蔵ではきちんと名脇役になっている。こんなに味わって豚肉食べたことあったかな?

それくらい、お肉が美味しくて印象深かった。素材が美味しいと、ソースで食べようとは思わず、お塩とごま油で食べたくなるんですよね。今回もソースは一度も使わず。ミルフィーユチーズカツには、チリソースを進められたので、一口はそのチリソースでいただきました。

とは言え、とんかつ以外のものも、最高に美味しく、豚汁や白米、デザートを味わっているうちに、時間がどんどん過ぎ、同じ時間に入った他のお客様は皆すでに退店。

ひとり時間いっぱいまで、その場を堪能していました。それでも本当にあっという間の1時間。

この食事は本当に特別。また程よく時間がたった頃にお伺いしたい。何かのご褒美として、ちょっと美味しいものをいただきたい!そう思える時に。

概念という枠をはずし、再構築する

ここからは想像でしか無いけれど、成蔵の店主は、今あるとんかつの概念を一旦取り払って、自分が提供したいとんかつを出す。このこと一点に集中して、お店を作り、メニューを作り、値付けをし、予約というシステムを使い、この最高のとんかつを提供しているのだと思う。

それは、多くの人がとんかつと言うと思い浮かべるであろう、キャベツ、細長い楕円みたいな形、茶色い衣、ご飯とお味噌汁。この完成形とも言える、とんかつはそれはそれで多分すごく、リスペクトしていて、それで育ってきた。

だけど、彼は『豚』の美味しさを本当に理解していて、この美味しい豚を最高レベルで引き立てるには、軽い衣と低温でじっくりと揚げた方法が最良!と言う方法にたどり着きそれを具現化するために、すべてのものを整えていったのだと思います。

いままでの概念を一旦横において、1から構築していった。それが、他には無いあの成蔵のスタイルを構築したのでは?そんな妄想を巡らせていたました。

とんかつ好きな方。最高峰のとんかつとはどんなものか?そんなことを知り、感じ、味わいたい方には是非一度行って欲しいお店だなって思います。

当日頂いたお料理の写真だけ乗せました。写真では匂い、香り、歯ざわり、食感、お店の雰囲気は伝わらないのですが、そんなことを妄想してみてくださいね。


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