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しゅうの悩み相談室

食品スーパーで働くわたくしですが、
いろんな部署からたくさんの報告、連絡、相談を受けます。
今回はその中から、職場で困っていることを聞いてみました。


前回の記事にわたくしの職場と仕事について触れていますので
こちらを読んでいただけると、よりイメージしやすいかなと思います。

畜産担当Aさんの悩み

「発注の修正がすごく難しいです・・・
 前日にミンチとかが売れ残ってしまったときに修正ができなくて・・・」

説明します!
当店では、店内で製造、パック詰めしてる商品は
鶏肉や味付け肉など一部のみです。
牛肉や豚肉のスライス肉やミンチなどは、
大きな工場で全店舗分をまとめて作っており、
それらが店舗ごとに仕分けされ、
早朝に冷蔵トラックで送られてきて陳列しています。

工場で一括製造することで店舗での作業も減り、
1パック、2パックの少量にも対応できるなど多くのメリットがあります。

ですが、工場での原料手配のために、
一部の商品の発注は2週間くらい前に締め切るものもあり、修正ができません。
また修正可能な商品においても、
2日前の13時までに修正しないといけないため、
Aさんの悩みのように、天候不順などで売れ残ってしまったときの対応がとても難しいです。
今は人が手動で予測して修正していますが、限界があります。

解決策を考えてみる

  • 天候を指数化して発注に生かせないか?

晴れの日を「1」とするなら
雨の日は「0.8」
台風や雪などの大荒れの日は「0.6」
逆に台風前の駆け込み需要などが見込めそうなら「1.3」など
先週、先々週、先月同曜日、昨年同曜日などの数値から
その日の天候はどうだったのか、
またこれからの天候はどうなるのかを
天候指数を加算して販売数量予測を出せれば
もっと精度もあがりそうです。

  • 売れ残った時は自動的に即下方修正

発注の締め切りは前々日の13時となっていますが
13時までにかなり大雑把ですが、その日1日の売れ行きも予測できます。
店舗にもよりますが、売上の折り返しはだいたい14時から15時くらいです。
開店から14時までに20万売れてたら、
14時から閉店までも20万の売り上げになると予測できます。
つまりすごく単純計算ですが、ミンチが14時までに20パック売れてたら、
今日はあと20パック売れるということです。
その日の期首在庫(朝一の在庫)が60パックなら、
20パック余ることになります。
発注締め切りの際に、自動的に売れ残る分を差し引いて修正できれば、
翌々日の在庫を調整できると考えます。
※精度を上げるための細かい調整は必要です

感じたこと

発注の修正はすごく大事なのですが、
正確な見立てだけではなく、作業にかける時間も作らないといけません。
大事だけど、わたくしが考えていたよりもあまりできていないのが現状のようです。
DXで改善できれば、利益や労働時間に大きく貢献できると思います。

お惣菜担当Bさんの悩み

「棚卸しが毎回大変・・・
 冷凍庫に長時間入ってると凍っちゃいます」

説明します!
当社では、生鮮・惣菜部門では1か月に1回、棚卸しをしています。
お惣菜部門は冷凍の原料がとても多い部門です。
冷凍庫は-20℃以下になるため、
棚卸しの時は防寒具を来て、限界まで我慢しながら庫内で作業します。
ほんと寒いです!

解決策を考えてみる

ユニクロのレジの仕組み、話題になっていますのでご存知の方も多いかと思います。
商品タグにRFIDと呼ばれるICチップが組み込まれていて
レジ台におけば電波でタグの情報を読み取ってお会計できるという画期的なシステムです。
これを食品スーパーのレジでも使えたらとても便利なのですが、
すべての商品にRFIDを組み込むにはコストがかかりすぎますし、
野菜などのむきだしの商品には取り付けが難しいので
現在のところまだ現実的ではありません。
ですが、物流や棚卸しのために、段ボール単位でしたら十分導入もできると考えます。
段ボールにRFIDチップを埋め込み、
読み取る機会をパッとかざしていけば、棚卸しも一瞬で終わるはずです。
開封して使いかけの在庫などは、使った分だけマイナスに、ここだけは手入力でしょうか。
これで、冷凍庫で凍ることなく作業が短時間で終わります!

感じたこと

わたくしも冷凍庫での棚卸し経験があるので気持ちがよくわかりました。
寒い&長時間とWで大変な作業です。
RFIDチップの導入などで棚卸し革命ができれば、
冷凍庫に限らず、すべての部門で業務の効率化が実現できます。
コストを算出して可能なら是非導入していただきたいです。

グロサリー(※1)担当のCさんの悩み

(※1)調味料やお菓子などの賞味期限が比較長い商品

「とにかく商品数が膨大なので、特売日とかの発注の修正が大変なんだよね・・・
 在庫持っていればいいんだけど、そうすると増えすぎちゃうし・・・」

説明します!
一般的なスーパーの商品数は10000点くらいあります。
その中でもグロサリー部門は、店舗全体の約5割のアイテム数を占め、
売上げも店舗の約3割を占める、かなりの量を扱っている部門です。
わたくしたちの会社で使っている発注システムを簡単に説明すると、
「在庫が指定した数量(最低在庫)より減ると、指定した数量の発注がかかる」
というものです。
例えば、最低在庫を5個に設定しておき、
納品数量を12個と設定しておくと、
在庫が4個になった時点で12個の発注がかかります。

定番の商品はこのシステムでほぼ問題なく回りますが、
特売日などの対応ができていなため、売れ筋商品は特売日だと売れ切れてしまいます。
そのため、発注数量を手入力で増やす必要があります。
または普段から特売日を想定して、
売れ筋商品は最低在庫を多くして常にストックを持っておくようにもしています。
ただ、いろんな商品の在庫を持ってしまうと
当たり前ですがスペースには限りがありますので
バックヤードは売場に出しきれない在庫の山になってしまいます。
そのあたりの線引きは担当者の手腕一つです。

解決策を考えてみる

  • 特売日の指数化ができないか?

最低陳列数量を、週末は1.2倍、特売日は1.5倍などに自動的に変換できないか?
すぐできそうなんだけど、個別の指数化とか細かい設定が難しいのかな・・・

  • 発注ロットを減らせないか?

現在小型店では、最低単位の発注でも、売場に陳列できない量が納品されます。
たとえば売場に6個くらいしか並ばない商品なのに、
「1」発注しても段ボールに12個入って納品されたりします。
大型の店舗なら陳列できますが、小型の店舗だと置ききれなくてバックヤードの在庫になってしまいます。
これはデジタルというよりも物流の課題ですが
1発注でのロットを小型店は大型店の半分などにできれば
売場も在庫もかなりすっきりするはずです。

ただ、物流コストの問題もありますので、どちらを優先するかによります。
ロットを下げれば、その分配送回数が増えることになりますし、
配送側でロットを半分に減らすための手作業が増えてしまうと、
どっちでコストを持つかの問題が生まれます。

感じたこと

たしかに商品数が多すぎて大変だし、
少ない人数でよく頑張ってるなぁと感じていました。
ご本人にもう少し詳しく聞くと、
「特売商品が毎週だいたい同じなのが救い」とのお話もありました。
特売商品を毎回変えてしまうと、
店舗で発注予測などすべてを対応しきれないので
業務の効率化も兼ねて、毎週同じような特売をルーティーンさせているようです。
お客さまにとっても「○曜日は○○が安い」って認知してもらって
目的買いしてもらえるので、そういったメリットもあるのだとか。

ノンフード(※2)担当のDさんの悩み

(※2)洗剤や化粧品、トイレットペーパーなどの食品以外の商品

「返品処理が大変でした・・・
 ちょっとだけの返品なのに1時間くらいかかっちゃって・・・」

説明します!
当社の返品処理は複雑で慣れないととても時間がかかります。

返品の流れ

  1. 緊急連絡で返品指示がくる

  2. 売場に対象商品がないか確認、あれば撤去

  3. 「返品指示書」が社内メール等で配信されているので返品方法を確認

  4. タブレット等で「返品指示書」に記載のコードを読み込み、数量などを入力

  5. 管理者から承認をもらうと、「返品通知書」が発行される

  6. 返品商品を段ボールなどに詰め、専用の用紙に「送り先」「送り元」「物は何か」などを記載して添付

  7. 次の便でドライバーさんに渡す

以下つい先日に実際にあったケースです。

入浴剤(1箱298円)に溶け残りがあることが判明し、撤去、回収 
当店では対象の商品が2個あり、返品
2個返品しても600円くらい・・・
これに1時間くらいかかると時給の方が高いですよね・・・
生産性マイナスです・・・

解決策を考えてみる

そもそも返品する必要があるのでしょうか?
回収して原因を分析したり、
なにかに再利用するなら送り返す必要もなくもないですが、
売り物にならない商品だから返品となったはずです。
作業コスト、物流コストなどを考えたら
店舗で廃棄して終了がもっとも効率が良いです。
また、大きな問題がなく使える商品なら、
従業員が訳アリだということを納得の上、安く買ってもらうことが
会社、店舗には一番やさしいと思います。

また、どこまでを商品不良とするかも線引きが難しいです。
今回の入浴剤などは、溶け残りが多少あっても当たり前とするか
溶け残りがあったら商品不良なのか、消費者の考え方次第です。
製品の質を高く保つことは素晴らしいことですが、
過剰なクオリティを求めるのも日本人特有かと思います。
「完璧でなければならない」ことが多くの無駄な作業を生んでいます。
日本の生産性が低いのはこういったことも原因の1つなのでしょうね。

感じたこと

返品作業の他にも「コストに見合わない仕事」はどこにでもあるもので、
こればっかりは仕方ないかなと思っていましたが、
現場ではやはり鬱憤がたまっていたようです(笑)
「返品」とは別に「配送中の破損や不良」のお話もあって
そちらは「金額」によって申請するかしないかを判断してるとのことでした。
(ルール的にはすべて申請する必要があるのでしょうけれど・・・)
たしかに100円の商品が1つだけとかなら、作業にかける時間の方がもったいないです。
ただ、返品や廃棄は「お金」そのものを扱うのと広義では同じです。
500円の品を廃棄するということは500円捨てるということです。
たしかに不良品を売ることはできませんが、
スーパーで働いてると、簡単に値引きや廃棄をしてしまって
感覚がマヒしてしまう傾向があります。
みなさんもお金なら捨てませんが、モノになると敷居がだいぶ低くなりますよね。
わたくしたち会社には「商品ひとつひとつを大切に」という社訓があります。
今一度、心に刻みたいと思います。

レジ担当のEさんの悩み

「シフトの作成が毎回大変なんです」

説明します!
シフトの作成、手入力なんです!
これだけ高度な情報処理ができる世の中になったのに、
未だに手入力だなんてっ!
レジスタッフさんの場合、他の部門と違って
時間によって細かく管理しないといけません。
お客さまが少ない早朝や深夜の時間帯は少ないスタッフで、
お客さまが多い夕方は人も厚くして、などかなり複雑な判断が必要です。
少ない人員でやりくりしないといけないため、
毎月シフト作成に苦労をしているようです。

解決策を考えてみる

会社でシステムを作るか採用してほしいです!
なせ今までないのか不思議・・・

「クーポン券とか商品券のミスってなんとかならないのかな」

説明します!
当社のレジだと、クーポン券や商品券の入力は
目視で有効期限を確認したり、どの商品券かを確認して読み込む必要があります。
仮にクーポン券の有効期限が切れたとしても、
バーコードを読み込むと使用できてしまうので、
期限切れのクーポン券を使ってしまうことが多々あります。
翌日にレジの精算を担当する方が「過不足」として処理をする必要があります。

解決策を考えてみる

クーポンのコードに有効期限とかの情報も含められたらいいのに・・・
これもなぜないのでしょうね・・・

感じたこと

レジのスケジュールはわたくしが想像していたよりもかなり大変でした。
(実際にわたくしも当店のレジメンバーのシフト作成のお手伝いをしてみました)
うちの店だけなのか、他の店もそうなのかはわかりませんが、
トータルでは回りそうなのに、
「人が余ってる時間帯」と「人が足りていない時間帯」はいつも同じで
バランスが悪く偏りがあるのでどうしても組めないんです。
足りていない時間帯は残業で対応したり、
管理者などに応援を頼んだりする必要があります。
これをプログラミングしていくのはかなり高度なため
今まで実装できなかったのかもしれないと感じました。

クーポンはわたくしもミスしたことがあるので
痛いとこ突かれてしまいました(笑)
ごめんなさい・・・
でもレジスタッフ「あるある」なのかなと共感できました。
バーコードの情報量に限りがあるなら、QRコードでもいいよねってお話もあったり。
あとは導入コストですけれど・・・

終わりに

今回いろいろな方にお話しを聞いたり、
前々から聞いてたお話も含めてまとめてみました。

いろんな課題を聞いて思ったのは、
店舗で、自分たちでできることはだいたいみんな頑張ってやってるんです。
あとは個人ではどうしようもない部分なので
組織が仕組みを変えていかないと、課題の解決には向かわないのかなって。

だれかが組織を変えなきゃ!

そう、私が!?
そのために今勉強中なんですっ!

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