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テスラ達のEV新興メーカーが示された完全自動運転への道のり

自動運転についての定義:
https://www.macnica.co.jp/business/maas/columns/135343/

2022-04-12

L5の実現に競い合っているプレイヤー

半導体技術やAIとくに機械学習技術の発展により、長らく夢だった完全なる自動運転が実現できる兆しを見えてきました。技術の進歩の重なりでいよいよ本質的な変換が訪れる目前となって、テスラ、Xpeng、NIOらのEV新興メーカー、Google、Baidu、Appleのようなテックジャイアンツ、Intel、nvidiaを代表とする半導体メーカー、Cruise、Autoxなどのrobotaxiや自動運転技術の専門会社、目標やルートは異なっているが完全なる自動運転という同じ頂上を向かって激しい競い合っています。

全の会社を網羅して説明するとお互い簡単に比較できないし、情報が広げすぎてまとめしにくくなるので、今完成車メーカーの中自動運転技術は最も進んでいるテスラなどの新興メーカー達を焦点として、彼らのアプローチの仕方と現状の成果について紹介したいと思います。

完全自動運転の難しさ

完全なる自動運転(L5)の定義自体がシンプルでわかりやすいですが、どう実現するかの問題をさておき、技術レベルはL5に達成することをどう検証するも大きいな課題です。あらゆるの状況で自動運転できることについて検証するのは厳密に言うと切れがないから不可能です。この検証に必ず使われる一つの有力指標はMPIでした。

MPI(Miles Per Intervention/Miles Per Disengagement)とは平均一回の離脱は発生する際に自動運転で走行した距離です。離脱というのは自動運転中システムが対処できない状況に陥り、人間に運転を代わる要求を出し自動運転モードから離脱することです。テイクオーバーは運転手はシステムは対処できない、もしくはシステムの運転に危険を感じる場合運転を介入することです。このMPIの数値は無限に大きくなるほどL5に近づいていると示されます。具体的な基準について今権威的な結論はないが、人間の運転の事故率を参考値にして、その1/10、1/100、1/1000安全性を目指すだろうと思います。では現状はどうでしょう。

アメリカカリフォルニア州、シリコンバレーの所在地でもあり、世界中で自動運転技術の開発に最もオープンな地域、自動運転に従事する会社はほとんど現地のDMV(車両管理局)の認可を得て実証実験を行われています。試験に参加する各社は自動運転の走行距離や離脱状況などをDMVに報告することを義務化され、DMVはまとめて結果を公表しています。

米カリフォルニア州DMVの自動運転の離脱の集計データ

このデータは自己申告であり、走行する条件(ルート、天候、時間帯など)の統一の規定がなく、この数字でどの会社の技術の完成度が高いかを判断する参考材料にならないが、ごらんの通りどの会社も1回の離脱は数千マイルはもう限界のようです。L5を実現するまではまだ長い道のりだとおわかりいただけると思います。

 機械学習の原理を基づくアプローチ

ゴールは絶望的に遠いようですが、DeepMindやAlphaGoなどの成功はAIの進化スピードとポテンシャルを示してくれ希望も与えられました。そして機械学習の進化に最も重要なのは大量の学習データを用意することです。

言い換えれば自動運転技術の競争において最も重要なことは
・より早く、より多めな自動走行データを集めること
・質の高いデータを集める
・データの網羅性(様々な天候、環境、道路状況を網羅すること)

また5段階に分けられる自動運転技術レベルの中、L3以上は始めてシステムが運転の主体となり、検知、予測、判断、操縦を全て機械が行われることになります。L5への進化を加速させるにはL3以上のモードで走行したデータを学習させるのは不可欠です。ハイレベルの機能をどんどん実用化して、たくさんにユーザーに利用してもらうことはより高度な自動運転機能の開発にとって最優先事項であることを容易に理解できるでしょう。

上記を理解しますとテスラは自動運転技術の実現に取ったアプローチの仕方について理解しやすくなります。

利用条件を変わらないまま技術レベルアップを図るテスラ

2021年1月に自動運転業界で最も権威的な存在であるWaymoのCEOは公演でテスラの自動運転技術について言及しまして、”テスラは完全な自動運転車を生み出すことはないだろう”、”テスラは開発したシステムはただの「優れた運転支援システム、完全な自動運転システムを開発しているWaymoと根本的に違う”と持論を展開しました。

そしてテスラ自身もFSD(完全自動運転)と名乗る機能は現在L5の自動運転機能ではなく、人の運転を補助する機能(L2)であることを認めています。しかしテスラのFSDの機能の本質を理解せず、その技術レベルはその他多くの自動車メーカーが提供しているADASと同一レベルだと思ったら、大きな勘違いとなってしまいます。

テスラのFSDは名の通り完全なる自動運転を目指していることに間違いがありません。利用条件は他L2のADASと同様(目も手も離せない)ですが、システムは自主的に運転するハイレベルの機能をBeta版としてユーザーに提供し、どんどんバージョンアップを繰り返して完成度を向上させ、利用条件を変わらないままで、機能面で実質的L4もしくはL5に近寄る進み方を取っています。

テスラはベンツやホンダのように一定の条件を満たした場合L3の利用(目を離せる)を可能にする計画はなさそうです。L3の条件で機能提供する場合システムを利用中に事故は発生したら、メーカーに責任が問われるため、機能の一般提供に管理当局の承認や検証などに大変な時間や労力をかかりまして、許可されてからメーカーもずっと高いリスクを背負われます。一方で中途半端の機能を小出ししてL3の条件で利用可能にしてもユーザー体験が著しく改善があるかも微妙なところです。場合によって複雑化になってユーザー体験は低下し、メリットを感じづらい可能性もあります。

下記ホンダのL3機能の検証動画を見ればわかりやすいと思います。通常モード、L2の状態、L3の状態、3つのモードが道路状況によって予想できなく頻繁に入れ替わったりして、ユーザーが気楽になるところか混乱に気持ちよく利用できると言い難いです。

テスラはこうして複雑で高度な自動運転機能は一定の実用性に到達したら、まだ完成度が欠けている状態でも限られた人を対象に提供し、利用者はいつでも介入できる状態で機能利用するという方針にしました。いわばソフトウェア業界でお馴染みのBeta版の提供と同じ性質なことです。未熟なシステムを製品として販売する発想は長年製造業に従事するレガシーメーカーにとってはなかなか考えられないことですが、ソフトウェア屋でもあるテスラとっては当たり前のやり方です。

これでテスラはコンプライアンスの調整などに時間や手間をかけず、高いリスクを背負うことも避けて、開発に集中して、ソフトウェアのバージョンアップ→OTAで配布→利用開始→データ収集→・・・というシステム進化のイティレータはほぼ時間のロスがなく、最速でゴールへ突き進められるようになります。

当然”ユーザーのことをテスラの社員として扱うじゃないか”という批判の声もありますが、FSDを購入する人は自分の行為を深く理解していると思うし、全員も熱狂なテクノロジーのマニアではなく、FSDの利便性や安全性に魅了され愛用しているユーザーもたくさんいると思います。稼働中でも注意を払わなけれなならないが、システムの操縦を監視するだけは自分で運転するより遥かに負担が減り、一貫した使い方はユーザーにとってわかりやすくて、安心感も得やすい、総合的ユーザー体験は非常に優れるシステムができています。

テスラのアプローチの仕方を追随する自動車メーカーが多くありまして、特に中国の自動車メーカー達、EVヘのシフトは加速している中、自動運転技術の競争もどんどんエスカレートしています。特にEVの新興メーカーのNIO、Xpeng、Li-autoが発売している自動運転システムに関して、既にテスラ(中国で提供しているバージョン)と同じ水準に到達しています。

次にテスラとXpengが現在提供している自動運転技術の中身を通して、この2社は現在の技術レベルと近い将来のロードマップについて説明していきたいと思います。

完成車メーカーの中最高峰の自動運転システムFSDとXpilot

テスラの自動運転システムについて、基本のAutopilot(basic ap、略してBAP)とFSDが2つのオプションがありまして、BAPは一般的に普及されているL2のADASの機能(例えば日産のプロパイロット)が含まれています。FSDはそBAPより高度な自動運転を含まれるオプションとなります。FSDは現在北米以外に提供されていないため、テスラ車は世界中で販売台数が急増するとともに、FSDの購入率も劇的に落ちてしまいまして、直近では11%まで低下した模様です。

FSDの販売を再拡大するため、テスラとして最も重要な市場である中国で、昔で一時期で提供してたEAP(enhanced autopilot)オプションを復活させました。EAPはBAPより高機能であり、FSDからまだ安定性は欠けている市内道路での自動走行機能などを省いて、FSDの半額で提供しているので実用性そしてコスパ的にいいオプションであります。

EAPはBAPより下記の機能が追加されています。

  • 自動車線変更(利用者の確認操作は不要に設定可能)

  • 高速道路限定のNoA(navigator on autopilot)

  • 自動駐車

  • 召喚

またFSDはEAPにより下記の機能が増えてます。

  • 信号と停車標識の認識と対応

  • 市内道路を含むNoA

  • 完全自動運転

中国でBAP、EAP、FSD、3つのオプションの比較


NoAというのはナビで目的地を設定してから自動走行可能な範囲内に入ったらシステムは作動しはじめ、システムが全ての操縦を行われて、利用者はいつでもテイクオーバーできるように監視するという機能です。高速道路限定のNoA機能はインターチェンジに入ってからシステムが認識してNoAは作動し、人の介入はしない限り出口までの走行は完全にシステムが行われることです。

高速道路限定のNoA機能はBasic APの上に、自動車線変更、自動追い越し、分岐の自動対応の機能を加えられ、検知や判断能力を高めてシステムは自主的に個々の機能を複合的に活用する機能です。それを実現するには通常のL2のADASより高い検知能力を持つセンサー、スペックの高い演算ユニット、より複雑なアルゴリズムが求められます。これらの要素を揃えた上でさらに合理的な価格で製品の形で提供しなければいけないです。完成車メーカーにとってL2→L5への長い道のりの中一つ重要なマイルストンであり最初の難関でも言えると思います。中国の自動車業界では高速道路限定のNoA機能をL3として位置付けしています。

従来のTier1は高速道路限定のNoA機能有するソリューションをメーカーへ提供できるのは現在一社もないため、完成車メーカー達は従来通りTier1の技術提供を待つか自力で開発するか決断力と開発能力を問われています。現在テスラのNoA機能と同等な機能を実用化できたのは、テスラ以外に5社がありまして全て中国の自動車メーカーです。

ではこの機能は現在どれ位の実用性が達成できたかについて、下記中国のネットメディアは行われたテストの結果をご覧いただけたらイメージをつかめ易いと思います。テスト対象はテスラModel3、Xpeng P7、NIO EC6、上海から杭州まで片道190kmの距離を走りました。

評価する項目は
・NoA機能稼働した距離の割合
・テイクオーバーの回数
・目的地までかかった時間

下記の図で示すように、どちらも2時間で190キロを完走し、テイクオーバーの回数は数回だけに押さえてかなり優秀な結果が出ています。実用性が高く、実際使い慣れた人はこのシステムがなしで長距離運転はもう嫌になると嘆く声が多いです。

テスト結果

動画の全編は↓です。中国語になっていますが重要な説明は英語のテキストをつけているので、興味ある方は是非ご覧ください。

高速道路に限定するNoA機能はEAPのコア機能であるように、市内道路を含めるNoA機能はFSDのコア機能であります。現在北米でしか利用できないですが(※欧州はいよいよ提供し始める予定)、最新版の10.11が公開してからたくさんの体験動画はネットで共有されまして、市内道路での自動は更に安定して来たようです。完成車メーカーの中自動運転技術の完成度は最もL5に近づいているのはテスラであることに疑いがないでしょう。

しかし、テスラは海外でFSDを提供する際にコンプライアンス上の調整やローカライズの開発も欠かせないです。大変な時間と労力をかける必要があり、場合によって法的な制約を受ける可能性もあります。例えば、上記のテスト動画で示したように、テスラのEAPは上海市内の環状道を認識してないためNoAを起動しなかったので稼働した距離はNIOとXpengに及ばなかったです。また中国の高速道路の分岐の入り口が狭い?のせいで高精度地図を使わないテスラは分岐の自動対応の失敗率が他の2者より高いです。

この辺につきましてローカル企業に差を埋める貴重な時間とチャンスを与えられました。XpengやNIOらはこのチャンスをしっかり掴んで、今テスラは中国で提供しているEAPと同等なシステムを提供できて、更にまもなくフルバージョンのFSDと同等なシステムも出そうとしているところです。

xpilotのロードマップ

上記のテストで行われたのはXpengの自動運転システムXpilot3.0を搭載したXpeng P7でした。Xpilot3.0はテスラのEPAと同等なレベルのシステムであり、Xpeng版の高速道路限定のNoA機能ーーNavigation Guided Pilot、略してNGPを搭載しています。

NGPは22年の1月に公開してから1年迎えて、利用される総距離は2000万kmを突破しました。利用率について、利用しているユーザー対購入したユーザーは96%、利用した総距離数対可能な総距離数は60%を超えまして、積極的に利用されていることがわかります。

そして21年1024 day(中国のプログラマーの日)で最新版のXpilot3.5の発表すると同時に、L5までのロードマップも発表しました。Xpilot3.5は21年の10月から発売する世界初Lidar搭載の量産車P5に搭載する予定(22年の前半でOTAで提供する予定)となって、市内道路におけるNGP(City NGP)を搭載される予定です。しばらくテスラのFSDは中国で提供するのは難しいと思うので、その頃に中国で最高峰の自動運転システムを搭載される車はもうテスラ車でなくなります。

Xpilot3.5のCity NGPのデモ

また上記のロードマップが示したように23年にXpilot4.0を導入する予定となって、4.0という数字はL4に到達するとも示唆しています。Xpilot3.5に比べ自動駐車(AVP)、高速道路のNGP、City NGPの各サブ機能の完成度を高めた上に、各モードは自動的かつシームレスで入れ替えできて、日常の移動のほぼ全てのシーンをカバーできて、all timer稼働を期待されます。さらに4.0から2つのメジャーバージョンのアップデートを経って25年頃に実用的なL5の完全自動運転を実現すると目指しています。

そしてもう一つ重要な発表はRobotaxiサービスに参入する計画でした。22年で発売する予定だった大型SUV L9にXpilot3.5を搭載させてサービスを開始する予定です。MaaSの普及により自動車の販売規模が縮小することへの備えもありますが、急ぎでサービス化する目的はやはり自らより多くの走行データを集めて開発をさらに加速させるためだと思われます。そして同時にXpilot3.5の技術の完成度はもうRobotaxi社の平均の水準に到達していることも示唆しています。(テスラも先日のイベントで急にRobotaxi用の車両を開発していることを漏らしました。)

まとめ

24年~25年の辺りに、Xpeng、NIOらは他の完成車メーカーより一歩先に実用上のL5の完全な自動運転システムを提供すると計画を立てて、それを向けて着々とすすめています。(テスラは言うまでもなくいつもの今年中^^)
提供する条件は現状のままで変わらないかもしれないが、
・日常のお出かけのほぼ全てのシーンをカバー
・安定性について人間の運転と比較できるレベル
を実現されると見込まれ、システムの中身もユーザーに与えられる体験も従来なシステムと根本的に違うものに進化してしまうと思います。

さらにその時点で、彼らが持っているアドバンテージはシステムの完成度が高いだけではなく、魅力的なEVとセットで提供され、他社よりたくさんのユーザーを取り囲むことができて、より早く多くの実績の走行データを蓄積できることです。次第にそれらのシステムは人間の運転より安全性が高いことをデータで証明される日が訪れるでしょう。(※)

自動車の安全性について車を買う人なら誰でも重要視しています。テスラ達の自動運転システムは人間の運転より安全性が高いという結論は信頼できる第三者により検証され一般認知されたら、これらのメーカーの自動運転システムはもうテックマニアが欲しがるおもちゃではなく、運転の疲れを低減する贅沢なオプションでもなく、多くの人にとって欠かせない必須な機能となってしまい、これこそは本のゲームチェンジャーになると思います。


・6車種の高速道路のNoA機能のテスト
https://www.geeknev.com/review/295/2957519.html

・テスラが発表した車両安全レポートによりAutopilotを使用時の安全性は3倍高くなる
https://lowcarb.style/2022/01/18/tesla-safty-report/


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