慣例でやるだけの「当たり前」をやめ、本質的なことだけを「当たり前」に!
上位の「目的」を見据えながら、最適な「手段」を
色んなメディアで千代田区立麹町中学 工藤校長の名前を目にして、
興味をもち、工藤校長の「学校の『当たり前』をやめた。」を手に取った。
読む前は、「学校教育の改革者」というイメージが強かったが、
本人としては、
教員とともに考え続けてきた「改善」を、
淡淡と地道に、丁寧に繰り返してきた とのこと(P141)
学校は人が「社会の中でより強く生きていける」ようになるための場所
という本質を考えて、当たり前を疑うことを続けた結果だという。
そして、新しい「当たり前」を実現するための決断が早く、
そのために必要な行動が的確で早いという印象。
例えば、
●「頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?」という本を読んだことをきっかけに、麹町中学の授業中のノートの基本フレームを著者と考案
●社会でどのような資質能力(コンピテンシー)が求められているかを考える際、人材採用や育成で、資質能力(コンピテンシー)に注目しているソニーの人事部長に会いに行く
●間違いや失敗を恐れて主体的に行動できない子どもが多いという問題意識を持っている中、視察に行った学校で見たミュージカルを通して自己表現する教育ワークショップを採用
そして、工藤校長が行っている改善は、
学校教育の場のみならず、自治体や企業はもちろん、社会全体で広げられる
と感じた。
本の中で、
「手段の目的化」が学校の至るところで増えている
という記述があるが、自治体や企業でも同様ではないだろうか。
現在、オンライン書店の会社で出版社営業を行っているが、
慣例で続けていることが多く、危機的状況でも大きくは変わらない。
自分自身の仕事の仕方を振り返っても、
慣習になっている「当たり前」を受け入れて、
決められたルールの中で良い結果を出そうとしている傾向がある。
そもそも、ルールを変える、ルールを作る発想がない。
まずは、「当たり前」を疑うことを意識していきたいし、
新しい「当たり前」を作るために行動していきたい。
考え方や価値観が人と違うのは当たり前
そして、もう1つ印象深かったのは、対立するのは当たり前という考え方。
前述した
社会でどのような資質能力(コンピテンシー)が求められているか
を考える中で作成した「麹町中の目指す生徒像」が下記
言語や情報を使いこなす能力
1、様々な場面で言葉や技能を使いこなす
2、信頼できる知識や情報を収集し、有効に活用する
自分をコントロールする能力
3、感情をコントロールする
4、見通しをもって計画的に行動する
5、ルールを踏まえて建設的に主張する
多様な集団の中で協働できる能力
6、他者の立場で物事を考える
7、目標を達成するために他社と協働する
8、意見の対立や理解の相違を解決する
麹町中の目指す生徒像は、大人である自分でも実践できていないし、
ちゃんと意識することすらできていない気がする…。
生徒が「誰もついてきてくれない」と相談に来た時には、
「人はそもそも動いてくれないものなんだよ。動かない人を動かせるようになってこそ、本物のリーダーだ。」
「動かない人を動かすには、『戦略』が必要なんだよ。そのためには自分を知り、相手を知り、どの言葉を選んで、どのタイミングで発するか、さまざまな工夫がいるんだ」
言われてみれば当たり前なんだけど、
あまり意識してないかったので、すごく学びになった。
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