釣りをしていて考えたこと6

相変わらず釣りを続けております。

週3~4回、主に早朝深夜。

釣りを始めてそろそろ1年が経ちそうです。釣りのある生活は楽しいです。まだ飽きる気配はありません。これまで趣味を持ったことがなかったので、自分に趣味があるということが嬉しいです。

そう言えば、先日、釣り具店のレジで会員カードを提示したところ、店員さんに「佐藤さんってあの佐藤さんですか?」と訊かれました。

「え…、『あの』って…?」
「いえ、すいません…。漫画を描いていらっしゃいますか?」
「あ、一応…」
「漫画家さんですよね?釣りのブログ読んでますよ」

まさかこのブログを読んでいる人にお会いするとは…。
とても恥ずかしかったです。(次に買い物に行った際はサービスしてください♡)

さて、10月~11月はエイに悩まされました。まずは家の近所の河口で釣ったツバクロエイ。

持ち帰って食べようか迷いましたが、元気だったのでリリース。エイは下処理が大変です。相手が動けるようであればリリースするようにしています。

近所の河口へは、基本的にシーバス狙いで出かけます。ボートからは今年100匹以上釣らせてもらいましたが、ここでは釣れたことがありません。家の近所でも釣ることができるようになりたいので、釣れないのに通っています。シーバスがいるポイントは大抵エイもいるようで…。この日は3匹程エイがかかりました。クロダイも1匹かかったのですが、足元で針が外れてしまいました。悔しいのでその後数日間、同じ場所に通いましたが、エイしか釣れませんでした。

気分を変えて、別の河口に出かけてみました。…が、アカエイ祭り。6~7匹はかかったのではないでしょうか。砂浜に引き上げられるサイズのエイを1匹だけ釣り上げ、他の大過ぎるエイはロッドを振るなどしてルアーを外して釣らないようにしました。エイの引きは独特なので、釣り上げなくても分かります。ギュンギュン引いて、時々底に張り付いたように動かなくなり、ゆっくり引っ張るとのっそり引っ張られてくる→またギュンギュンの繰り返し。

帰り道、堤防に大きなエイが落ちていました。置き方や針が刺さったような跡から血が流れている様子を見て、誰かが釣り上げて捨てていったもののように感じられました。エイは大きくて力が強いのでルアーにかかってしまうと本当にやっかいです。オマケに尻尾に毒針があるし、その場で適切に処理しないと臭くて食べられないし、釣り上げた後、憎くなる気持ちも分からないではないのです。
でもなー…。
持ち帰らないならリリースすれば良いのになー…。いや、そもそも食べる目的以外で釣りをすべきじゃないのかな…と、いつもの自問自答。思い返すとエイは死んでも尻尾に毒が残るので、誰かが踏むと危険です。僕が海に戻してあげるべきでした。

釣り上げたエイは弱ってしまっていたので、持ち帰って皮を剥いで…

エイ(フィッシュ)&チップス?前回、持ち帰った時はエイヒレを作りましたが、今回は揚げてみました。揚げておけば大体美味いです。

エイはご勘弁ということで、彼らのいない某漁港へ。そこはメバルやカサゴ、アイナメなど根魚がよく釣れる場所で、よく行くポイントの1つでもあります。シーバスが釣れなくて寂しくなった時はそこに行きます。この日はメジナがたくさん釣れました。10匹釣れたらやめるようにしています。次もまた釣りたいので。25センチ以上あった2匹を持ち帰り、他はリリース。

塩焼きにしました。
皮がパリパリで美味い。

が、「やはりシーバスに会いたいな」ということで、シーバスボートを予約しました。ボートは熟練の船長の案内でポイントをめぐる釣りです。この時期は80センチ以上の大きいのが釣れるらしく、船長から「大きいのを釣りたいならこういうタックルを持ってきたほうがいいですよ」とアドバイスを受け、新たにいくつかの道具を購入しました。「ビッグベイト」という20センチくらいあるルアーと、それを投げるための頑丈な竿とリール。リールはベイトリールと呼ばれるものです。ほぼ一式ですね…。大人買いしました。

「ベイトリール」は一般的なリール(=スピニングリール)がオートマ車だとしたら、マニュアル車のよう難しさがあり、ちょっと初心者には取っ付き難いです。僕にはまだ早いかなぁと手を出していませんでしたが、「釣りを続ければいつかは使うはず」と思い切って購入しました。ベイトリールは適切に使用しないとすぐに糸が絡まってしまいます。本番のボートに乗るまでに使いこなせるようになりたい。

ということで、投げる練習のために再び近所の河口へ通いました。で、全然上手く投げれない。1度派手に絡まって(バッククラッシュと言うそうです)糸を切り、派手じゃないのは何度も。これを乗り越えないと釣りをできないのかと思うとめげそうです。大人になってから新しい物にチャレンジすることが減り、今やっていることを深める方向で生きてきた気がしますが、そうするとすでにできることばかりすることになるので、できてしまうんです。その中で上手くできた、できないはありますけど。
結果、自分は「できる人間」のような気分になってしまっていたのかな…?
釣りをしていると自分が「できない人間だ」ということを思い知らされます。

で、ベイトリールを使用して最初に釣れたのは…

…エイ。
捌いた後の画像ですが、元は1.5mくらいありました。ベイトリールはスピニングリールに比べて糸を巻き取る力が強く、これまで釣り上げられなかったサイズのエイを引き上げることができました。でも、魚を疲れさせてしまうみたいですね。リリースしたものの弱って動けないらしく、その場で解体して持ち帰りました。デカイし血もいっぱい出るし、残酷なことをしている感覚がありましたが、死ぬまで放置するのはもっと残酷な気もします。では、スーパーで魚を買って食べることは残酷じゃないのだろうか…?と、また自問自答。徹夜で下処理しましたよ。

で、シーバスボート本番。朝4時出航。ビッグベイトという20センチもある大きなルアーで果たして魚が釣れるものか半信半疑でしたが…。

釣れました。何だか感動。
続いて2匹目。

ピンボケしていますが、ビッグベイトというのはこんなルアーです。ルアーがデカイので、釣れる魚もデカイです。日が昇ってきたところでバイブレーション(通常サイズのルアー)に付け替え、もう少し小さいサイズ(40〜60センチ)のシーバスの数釣りを楽しみました。数を釣った後は、またビッグベイトに挑戦。

なかなか上手くフックできずにバラしてばかりでしたが、最後にデカイのを釣り上げました。多分、70数センチ。

さて、ここまで読んでくださった方は、僕を釣りばかりしているおっさんだと思ったかもしれません。実は仕事もしています。一応、キャリア20年目の漫画家です。この10月に10年以上をかけて執筆した「特攻の島」という作品を描き終え、11月は丸ごと1ヶ月間充電期間をいただくことにしました。

ということで、充電期間に入る前にスタッフと釣った魚でパーティー。シーバスとエイのフライ。揚げとけばとりあえず美味いです。美味しいパンとちょっと高めのワインを用意しておけば間違いありません。

シーバスとメジナのアクアパッツァ。メジナは釣ってから4~5日経っており、熟成されて美味しかったです。シーバスはフレッシュ過ぎて、もう少し落ち着かせたほうが美味しいのかなぁ…?お腹いっぱい食べて充電期間(遊び放題期間)に突入。

釣りと関係ありませんが、家の裏の河原を開墾(?)しました。笹薮に侵食されて、数年後には自宅の窓が笹薮で覆われそうだったので、刈り取ってスコップで根を掘り返し、紫陽花でも植えようかなと。せっかくの長期休みなので思いついたことをいろいろやってみました。

サビキでアイゴをいっぱい釣りました。アイゴはヒレに毒があります。刺されないように針を外し、海にお帰りいただきました。

テトラ帯に登って、針にイソメを付けて隙間から糸を垂らしたら何か釣れるんじゃないかと思い、やってみたらメジナにソイにカサゴに…、いくらでも釣れます。自分の予想が上手くハマったので、つい釣り過ぎてしまいました。家に帰って調べたら、僕のやったことは「穴釣り」という釣り方に近いことがわかりました。知識がない分、自分で考えた釣り方に名前が付いていることがわかると、正解にたどり着けたようで嬉しい。専門の道具を揃えたらもっと釣れそうだな…。

月イチの贅沢にしていたシーバスボートにも再び乗ってしまいました。10年以上連載を頑張ってきたし、先日のビッグベイトが面白かったので、つい…。

ドカンと84センチ。大きなカマスやアジもルアーで釣れました。

その翌日は仲良くしている漫画家さん達と能登へ旅行。海辺の旅館で遊び釣り。(写真は撮らず)お酒を飲みすぎました。帰ってからは徳山のイベントに呼んでいただいたので、釣竿を持って片道900キロを車で出かけ、イベントの合間に釣り。しかし、徳山まで来て釣れたのは…

キミか…

カイズ…?初めて釣ったのでよく分かりません。
30センチくらいまでのが5~6匹釣れました。

そして、またシーバスボート。10月末から1ヶ月で3回目。いや…、10年以上連載を頑張ってきたし…。ああ、贅沢。以前から「一緒に行きましょう」と言っていた漫画家さん達との約束を果たした感じ。僕は1匹しか釣れず。もっと釣れると思って写真を撮らずにいたら、撮りそびれてしまいました。釣れなくても釣りは楽しいです。好きな人たちと夜中から一緒に出かけて、釣果に一喜一憂して、移動中の車の中ではずーっとしゃべって、ラーメン食べたり。

穴釣りの道具も揃えまして、カサゴ、ソイ、ベラ、メバルなど25匹。穴釣りを理解したくてアレコレ試すうちに釣り過ぎてしまいました。根魚は30センチを超えると結構大きい部類になります。25センチ以下はリリースすることにしていますが、そうすると大体リリースする感じに。リリース前提で釣りをしているようで、それも魚に申し訳ないような。僕は何を目指しているんだろう…?

今月から節約しなきゃな…。

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