見出し画像

Lyft創業者が描くMaaSの未来像とサブスクリプションの可能性

先日PodcastでLyftの共同創業者でPresident(社長)のJohn Zimmerが同社の今後の戦略や差別化などを語っていて、その中でサブスクリプションの可能性に言及していました。

彼は「Transportation(モビリティーサービス)は将来、通信会社のプランのように、サブスクリプション(月額制)になるだろう」と予想しています。

これは具体的にどういうサービスや内容なのか、少し考えてみます。

現在日本では通信会社はdocomo、au、SoftBankといった大手3キャリアに加え、それらのネットワークを使ってサービスを提供するMVNO(いわゆる格安SIM)が多数存在しています。また最近は楽天モバイルが自社の通信網を構築し、4社目のMNO(キャリア)として存在感を増しています。

これらの通信会社が提供するプランは、データ通信がどれくらい使えて、通話/SMSの料金がいくらで、月にいくら、といった内容です。

データ通信も通話/SMSも無制限といったプランもあれば、そこまで使わないライトユーザー向けに、データ通信は月3GBまで通話は20円/分、みたいなプランもあり、様々です。

要はモビリティーサービスもこのようなプランになる、という感じです。

データ通信のGBの代わりに自動車のキロメートル(km)、通話やSMSの変わりにバイクシェアリングや電動スクーター、というイメージです。

例えば、月に200kmまでの車移動のサービス(LyftやUberのようなCtoCのモビリティーサービスか、あるいはタクシーなど)で、無制限の電動スクーター(日本でいうLuupのような)が使えて、月額〇千円、といったプランや、月に50kmまでの車移動サービスに、バイクシェアリングは月10kmまで無料でそれ以降は毎分◯円、といったプランが提供される未来です。

個人的にはこれは非常に面白いMaaS(Mobility as a Service)の将来像だなーと思いました。

画像1

ちなみにこれを一社で提供するとなると、CtoCのモビリティーサービスなりタクシー配車サービスなりレンタカーサービスなりといった自動車系サービスと、バイクシェアリング、そして電動スクーターシェアリングなどの複数のモビリティーサービスを保有・提供する必要があり、Lyftはこの portfolio of transportation(交通手段のポートフォリオ)を構築する戦略だと語っていました。

補足ですが、アメリカの一般的な家庭では、毎年車の所有やメンテナンスなどに9,000ドル費やしているそうです。日本円にするとおよそ100万円です。で、実際に使っている割合は、時間換算するとたった4%だそうです。24時間の4%だとだいたい1時間になります。平均すると一日あたり1時間くらいしか使ってない、いうことです。車社会のアメリカですらこの割合なので、日本だともっと稼働率は低くなるかもしれません。

Lyftが目指しているのは人間のモビリティーの全体最適と言えるかもしれません。