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オーストラリア発のSaaS企業Atlassian(アトラシアン)についてのまとめ

Atlassianはオーストラリアのシドニーに本社を置く、デベロッパーやソフトウェア開発企業/チーム向けのサービスを提供するSaaS企業です。

スタートアップとして紹介されていることもあるかもしれませんが、今やNASDAQに上場し時価総額4兆円に迫るほどの大企業で、オーストラリアを代表するグローバルIT企業のひとつです。

プロダクトとしてはチーム向けソフトウェア開発ツールJira、コラボレーションツールConfluence、Git管理ツールBitbucketなどがあります。

ひとことでいうと主に開発チーム向けのソフトウェア(コラボレーションツール)を開発、提供する会社で、Slackのようにひとつのプロダクトではなく、複数のプロダクトを開発・提供しているのが特徴です。

尚、アトラシアンという名前はギリシャ神話の神「アトラス」から付けられています。

外部からの資金調達は(ほぼ)なし

Atlassianは2002年に当時大学のクラスメートだったMike Cannon-BrookesとScott Farquharによってシドニーで創業されました。

創業者が2人の大学生だったこと、ドットコムバブルの後の氷河期だったこと、ベンチャーキャピタルの中心アメリカ(シリコンバレー)から遠く離れたオーストラリアという地だったことなどから、彼らは外部から資金調達をすることなく(というか調達するということすら考えず)、クレジットカードの与信約$10,000(およそ100万円)だけで会社を軌道に乗せていったそうです。いわゆるブートストラップというスタイルです。

創業からおよそ7年後の2010年にAccel Partnersが$60Mを出資。2014年にはT. Rowe Priceが$150Mを出資しています。ただしどちらも創業者および従業員からsecondary shareを買うかたちだったようで、会社のバランスシートには表れず、会社としての資金調達ではありません。

売上高の推移とM&A

売上は1年目$1M、2006年$15M、2013年$150M、2014年$250M、2015年$320Mの売上を達成。そして直近2019年の売上は$1.2Bとうなぎ上りで、キャッシュフローも良い優良企業です。

プロダクトスイートでは2004年Confluenceリリース、2010年Bitbucket買収、2012年Hipchat買収、2013年Jira Service Deskリリース、2017年にTrelloを$425Mで買収。

2015年12月、ナスダックに上場。初日の終値では約$6B程度の時価総額でしたが、そこからさらにどんどんバリュエーションを上げてきており2020年2月末時点では$35B超え。米国での上場に決めたのはトップリーグを目指したからと語っています。

従業員数は2019年7月時点で3,600人超。

創業者の2人はともにオーストラリアを代表するビリオネアです。

SaaSモデルのさきがけ

Atlassianはそれまでオンプレミス環境にインストールする形で販売されていたエンタープライズ向けソフトウェアを、早い段階でクラウドを用いたサブスクリプションモデルで提供した企業のひとつです。これにより収益モデルもストック型になりました。昨今のSaaSではもはや当たり前とも言えるこのモデルですが、間違いなくAtlassianはそのさきがけ企業のひとつでしょう。

ちなみに今はより柔軟に企業のニーズに答えるため、オンプレ向けのサービスも行っているようです。

低価格でプロダクトを提供する

この動画で説明されているように、より多くの人にリーチするため、低価格でサービスを提供するというマーケットへのアプローチ方法をとっています。そしてそのためにWeb上でわかりやすい料金体型と無料トライアルを徹底しています。これは昨今のSaaSスタートアップではスタンダードと言えるかもしれませんが、Altassianはそれを以前から行っていました。

セールスチームがない

Great products can and should sell themselves.

この考えのもと、基本的にはセールスチーム(営業部隊)はいないそうです。この No Sales モデルはプロダクト自体が素晴らしいものでなければ成功しません。

Atlassianではレベニューの20%程度をセールスとマーケティングに充てているということのこと。

R&Dに投資を惜しまない

常にInnovativeであるために、以下の4つのカテゴリーで積極的にR&Dを行っています。

* Great Products
* Ecosystem & Marketplace
* Deployment Flexibility
* Model Innovation

レベニューの35〜40%近くをR&Dに投資しており、これは上のセールスチームがない = プロダクトが素晴らしくなければならないということに回帰していそうです。

その他

* オーストラリアに拠点を置くアドバンテージとしては(地元で職を探している)地元の優秀な人材を獲得しやすいこと。

* Mikeは学生自体、Atlassianの前に最初の会社(オンラインブックマークサービス)を立ち上げ、ネットバブルの前にその会社を売却した経験もあるそうです。

* 仕事で使用するツールの選定(buying process)がCIOやゲートキーパーから各従業員やスモールチームにシフトしてきている = プロダクトの選定や購入を行うひとと実際に使うひとがかなり重なってきている。

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神戸で小さな会社を経営しています。本業は旅行者向けデータ通信サービス(eSIMなど)ですが、今はまったく新しいSaaSプロダクト(Productivity系)を開発中。 https://www.econnectjapan.co.jp/

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