Netflixのカルチャーを作った創業者Reed Hastingsの考え方
Netflixの企業文化をまとめた Culture Deck はテック業界でもかなり有名で、参考にされることも多いと聞きます。
最近ではSlideShareにあがっているスライドタイプではなく、Netflixの公式サイトの専用ページ↓に最新のものがまとめてあるようです。
Netflixのカルチャーは独特な部分もあり非常に興味深いですが、個人的にはそれを作った本人でありNetflix創業者のReed Hastingsの考え方自体に興味があったので、彼がインタビューに答えているPodcastやYouTube動画をいくつか見聞きした上で、個人的に刺さった内容を簡単にまとめました。
採用と解雇
採用は結婚ではない。ダメだったら十分な手当を与えて会社を去って貰えばいい。ある意味実験的(experimental)。Netflixの場合、解雇手当は最低4ヵ月分と業界標準よりも高い。その理由の一つは解雇後の訴訟問題などを限りなく少なくできること。もう一つは解雇を告げるマネージャーに対しても十分な手当は解雇という精神的にも難しい行為を少なからず楽にできる。
解雇は心苦しいことで、最初なかなかできなかったが、会社のためということを理解した時からできるようになった。
役員との関わり
ボードメンバーの選定は結婚のようなもの。投資家とはしっかり時間をかけて理解を深め合い、評価額だけではなく人間として尊敬できるひとを見極めるべき。
求める人材とマネジメントスタイル
大事なのは才能ある人の密度(talent density)。そのようなExcellenceを持つ人たちと仕事することは非常に楽しい。マイクロマネジメントのようなコントロールはせず、会社として何を目指しているのかという大きな枠組み(Contexts)を設定・共有し、その中である程度自由に取り組んでもらう。Netflixのカルチャーは Freedom & Responsibility を基本としている。
また、決まったプロセスを行うだけの人ではなく、first principle thinker、状況に応じて柔軟に物事を考えられる人を採用する。ルールをたくさん作るようなことはしない。
CEOの役割
CEOが下す決定の数をできる限り少なくすることを常に意識している。四半期で一度も決定を下すことがないこともある。
Pure Software時代は日中経営の仕事をして夜にコードを書いてずっと仕事をしていたが、もっとヨガや瞑想をしたり他の経営者と会ったり、自分に投資することがいかに大事か、それが会社や事業にいい意味で返ってくるか理解すべきだった。
カルチャー
Netflixが目指すのは超一流のプロスポーツチームのような企業。決して終身雇用や家族経営のようなファミリー企業ではない。High performanceを求められる。Adequate performance gets a severance package. と表現されるように、普通の働きだとクビになる(もちろん解雇手当はもらえる)。
市場の変化と事業
過去5000年の間、馬が一番の交通手段だったが内燃機関(エンジン)で一気に景色が変わった。DVDからストリーミングも同じ。ただ、これらの劇的変化は非常に稀。もちろんこれらの大きな変化は注意深く意識しておくべきだが、一般的には do core better(コアの事業をコツコツ改善すること)に徹した方がいい。大きな変化は常に注意しながらも、基本は足下のコア事業にフォーカスするというバランスが大事。
Appleはファッションとテクノロジーを強みにし、それらを融合することによって独自の強さを持ったように、Netflixもコンテンツとテクノロジーを融合し独自の強みを持つ。
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