ちょい速記メモ術2〜速く書く編(ステップ1)〜
こんにちは、shuheiです。
イベントやトークショーでのメモを速く書く方法、前回は使っている道具を紹介しました。
今回から実際に速く書く方法を紹介していきます。
と、その前に、少し自分語りを書きます。興味無い方は次の見出しまで飛ばして頂いて大丈夫です。
●メモの取り始め〜現在に至るまで
・最初から全部メモりたかった
私がどういう感じでイベントの内容をメモして、レポを書き始めたのかという話です。
私は声優・歌手の上坂すみれさんのファンなのですが、上坂さんのイベントやライブに通うようになって、ある時なんとなく、「内容をメモしてレポートにまとめてみよう」と思い立ちました。理由としては、
※上坂さんのお話、発言がとても面白かった。
※イベントやライブは映像に残らないものも多く、自分で参加したものであっても記憶は薄れていくので、なんらかの記録に残したかった
というのが主なポイントかと思います。
それで、最初はシャツの胸ポケットに入るくらいの小さなメモ帳でメモを取り始めたのですが、一番最初にメモり始めたイベントから、「とにかく最初から最後まで全部メモろう」と思ってやり始めました。当然、全部正確にメモることなんて不可能(これは今でもそうですが)なので、書けた部分、覚えている部分からなんとかイベントの様子を再現というか、雰囲気が伝わるようにレポを書き始めてみたのですが、やはり不慣れですし、自分で自分の走り書きが読めずに「これなんて書いてあるんだ?」となったり、単純にスピードが追いつかなくてメモできず、「このへんの内容、思い出せないからメモが頼りなのに・・・書けてない!」ということもたくさんありました。
・それからどうした
で、もっと速く正確にメモをとる方法がないか・・・と考えたときに、思い当たったのが速記でした。詳しくは知らなくても、聞いたことはあるという方も多いのではないでしょうか。
リアルタイムで人の発言や会話を記録していく速記。
「速記をマスターすればイベントの内容を全部メモれるのでは?」と思いたった私は、まず速記の学習方法をネットで調べました。速記にはいくつかの流派みたいなものがあるのですが、そのうちの1つ、「V式」の入門書が一般書籍として手に入ることがわかったので、こちらを買って勉強してみようと思いました。
入手してしばらく、学習に取り組んでみたのですが・・・すぐに、
「これ、1週間や2週間で身につくようなもんじゃないな」ということに気づきました。
かじったことのある方にはお分かり頂けるかもしれませんが、速記を実用レベルで運用しようと思えば、まず通常のひらがなやカタカナと全く違う速記文字を覚えて、それで五十音を書けるようになり、単語を書けるようになり、文章を書けるようになり、さらにそのスピードを上げていく・・・というプロセスが必要なわけですが、これを短期間で習得できるイメージが、当時まったく湧きませんでした。
(今思えば、速記を勉強してみようと思い始めて2〜3年経過しますので、コツコツ勉強していたらある程度身についていたかもな、とも思いますが)
・速記は諦めた
それで「速記は無理」と諦めた私でしたが、それからもイベントに通いながら、色々と調べていくうちに大変参考になる本に出会いました。「絶妙な速メモ(速記)の技術 」(アスカビジネス)という本です。
この本、最終的には「中根式」という速記の話になってはいるのですが、速記について書かれた部分以外に「メモを速く書く」ための色々なテクニック・考え方が紹介されていて、それらはちょっとした慣れやコツを掴むことで、充分実践に使えます。
・そんなわけで
私がこれからご紹介するテクニックは、この本から学んだことや、この本に書かれたことを自分なりにアレンジしたものが多くなっております。興味を持たれた方は、こちらの本もぜひ読んでみてください。
●実践ステップ1:今の技術で速く書く
はい、冒頭からここまで飛ばして来られた方は改めましてこんにちは。
ここから実践編です。
まずはじめに、この「ちょい速記」シリーズの記事の全体像を示したいと思います。
・ステップ0:道具について(前回)
・ステップ1:今の技術で速く書く(今回)
・ステップ2:符号を使って省略する
・ステップ3:オリジナルの文字・記号を作ってみる
・ステップ4:細かいテクニックなどあれこれ
これだけ読んでも「何のこっちゃ」という感じかもしれませんが、おおよそこのような区切りで記事にし、現在私が用いているテクニック的な部分をすべてご紹介していく予定です。
というわけで今回ですが、まずはじめに、特殊なテクニックや知識なしで、なるべく速くメモを書くというところを目指していきたいと思います。
誰でも・・・と言うとやや語弊があるかもしれませんが、多くの方が「ひらがな」「カタカナ」「漢字」を書けると思います。あとは数字、記号、アルファベットなども・・・まずは、これらの自分が現時点で書ける字をうまく運用して、今より速くメモを書こうという話です。
●ステップ1−1:ひらがなとカタカナ、画数が少ない方を把握する
自分はイベントでメモをとるとき、ほとんどカタカナとひらがなで書いています。画数が少ない漢字は多少使いますが、普通に文章を書くように漢字も使って書いていては、まったく間に合いません。とにかく同じ文字・単語を書くにも、画数を減らすことができればスピードアップにつながります。
さて、皆さんは50音のひらがなとカタカナ、どちらが画数が少ない(速く書けるか)を比べてみたことがあるでしょうか。
下記のサイトなどで見ることができると思いますので、確認してみて頂ければと思います。
(以下、画数については上の50音表に基づいて記載します)
例えば、ひらがなの「た」は4画ですが、カタカナの「タ」は3画ですから、おなじ音でも、単純に画数だけを比較すればカタカナで「タ」と書く方が速い、ということになります。
単語で言えば、例えば「たぬき」をひらがなで書くと、「た」が4画、「ぬ」が2画、「き」が4画ですから、合計で10画です。
カタカナで「タヌキ」と書いた場合、「タ」が3画、「ヌ」が2画、「キ」が3画ですがから、合計で8画です。
つまり、「たぬき・タヌキ」という言葉は、文字で書く場合カタカナで「タヌキ」と書く方が2画少なくて済む、ということになります。
ちなみに漢字では「狸」で10画なので、意外にひらがなで書くときと同じ画数です。
ということで、ここではひらがなとカタカナを50音すべて比較して、画数が少ない方をまとめてみました。
<ひらがな・カタカナの画数が少ない方の一覧>
では、上記の表の通りひらがなとカタカナを完璧に使い分けてメモをとれたら、書くスピードが速くなるのか・・・と言われれば、そうとも限らないというのが実際のところかと思います。
理由はいくつかあるのですが、まず「慣れ」があります。
実際に試してみて頂ければと思いますが、例えばある文章を「全部ひらがな」で書くのと、「全部カタカナ」で書くのだったら、おそらく多くの方が「全部ひらがな」で書く方が速いと思います。これは単純にそちらの方が「手が慣れている」からです。今読んで頂いているこの文章も大部分はひらがなで書かれているわけですが、これは手書きの文章においても同じかと思います。普段多く書いているひらがなの方が、慣れているというわけです。
次に、「筆運び」があります。
「す・ス」という字を例に説明します。
ひらがなの「す」は最後二画目の書き終わりは、左下に向かっていきますよね。
しかし、カタカナの「ス」では、最後二画目の書き終わりは右下に向かっていきます。
私の場合メモを横書きで書いているのですが、この場合、カタカナの「ス」の方が、若干ですが次の字(右に書いていくので)に向かいやすいわけです。
他にも、「め・メ」は両方2画ですが、「め」は二画目でぐるっと弧を描く必要があるので、どちらかと言えば「メ」の方が速く書ける・・・とか、細かいことを言えば文字ごとに色々あるのですが・・・そこらへんは、個人差もあると思いますので、実践して感覚を掴んでいって頂きたいと思います。まずは一覧表で各文字の画数を把握して頂き、画数の少ない方で書くことを意識しつつ、その上で、「自分にとってはどうやるのが一番速く書けるか」という判断をしていって頂ければ幸いです。
●ステップ1−2:ひらがなやカタカナを書きやすくアレンジする
ステップ1−1で示した一覧の通り、カタカナとひらがなには画数の多い少ないがあるわけですが、それはあくまで通常の画数の話で、その字として認識できれば、ある程度自分で書き順や書き方を変えて、画数を減らしてしまってもかまわないと思います。
そこで参考までですが、私のアレンジ形(現状カタカナの一部だけですが)を紹介したいと思います。もちろんこれをそのまま取り入れて頂いてもけっこうですし、日常的にメモでこういった文字のアレンジをされている方もいらっしゃると思いますので、どんどんそういったご自身のオリジナルの方法を試してみて下さい。
もし通常の書き順のままでも、走り書きでメモをとっていれば自然と文字が崩れていくでしょうし、英語の筆記体や漢字の草書のように字がつながっていく部分もあると思います。あとで自分で読めさえすればいいので、「速く書けて自分で読める」ギリギリのラインを見極めていって頂ければいいでしょう。
<筆者のアレンジ>
●ステップ1−3:重要な部分を拾ってあとは捨てる
冒頭で紹介した書籍「絶妙な速メモ(速記)の技術 」にも書かれていることなのですが、ある程度一般的にも言えることかと思いますので、ここでも書いていきたいと思います。
・助詞や接続詞は省略する(書かない)
仕事上の指示や連絡事項をメモするとき、誰でも自然にやっていることかと思いますが、重要な部分(単語)だけを書いて、あとは省略するという方法がイベントやトークショーの内容をメモする時でも必要になってきます。
例えば、トークショーで出演者の方がこう発言したとします。
これを、仮に以下のようにメモしたとします。
いかがでしょうか。これでもお話の内容と言うか、事実関係みたいなところはだいたい分かるかと思います。
このように、まずは後で読んで「話(発言)の内容が分かる」ということを目指して、メモをとっていくのがいいかと思います。そしてそのためには、なるべく重要な単語を拾って、助詞や接続詞といった部分は省略してしまうのがいいでしょう。
なお、上記のメモの例は分かりやすくするために漢字も混ぜていますが、ひらがな・カタカナをメインにし、スピード重視すれば以下のようになると思います。
だいたい分かって頂けるかとは思いますが、少し解説しますと、「日サケ」は「日本酒」が漢字で書いてもひらがな・カタカナで書いても長い(時間がかかる)ので、「日(本)酒」→「日サケ」という考え方で略してみた書き方です。そもそも「ポン酒」という略し方もあるので、そう書いてもいいと思いますが、とにかくメモをとりながらとっさに判断して、耳で聞いた音そのままではないが、速く書くために別の表記をするということも、慣れればだんだんできるようになるかと思います。
●ステップ1−4:単語や名詞も省略する
細かい話にはなりますが、上記以外にも「省略」の考え方としていくつか実践していることを紹介します。
-出演者のお名前-
→イベントやトークショーでは複数の方が出演されますので、メモするときは発言者を区別するために、その方のお名前の頭文字を書いて○で囲んでいます。発言のスピードに追いつかない場合は、○はせずに頭文字だけ書いておくこともあります。
これを応用して、誰かのお話の中に、誰かのお名前が出てきたときも、同じ方法で書き表すことができます。
また、MC(司会進行)の方がいらっしゃる場合は、○のみで表すことが多いです。
-イベントタイトルや作品名-
→特定のアニメ作品のイベントなどに参加した場合、その作品名や、イベントのタイトルが出演者のお話の中で出てくることがあると思いますが、
「」で略してしまうことが多いです
例えば出演者の方が
と言った場合、メモは
というようにして、作品名の部分は「」以外書かない。これでも、後で見たときに文脈から作品名が入るということが分かります。(こういう時あんまり他の作品の話ってしないですしね)
同じ用に、たとえばMCの方が
という切り出しで来場者への挨拶をされる場面は多いと思いますが、
と書いても、「あ、ここはイベントタイトルが入るな」と判断できると思います。
このように、書かなくても分かることはガンガン省略していきましょう。
-特定の外来語やカタカナ語・固有名詞など-
これも書籍「絶妙な速メモ(速記)の技術 」から学んだことですが、引用の範疇かと思いますので、ここでも紹介させて頂きます。
「コミュニケーション」など、会話の中で字数の多い外来語やカタカナ語だったり、アニメ作品などでは長い用語や固有名詞が出てくることが多いと思いますが、これらは頭文字などの一部だけを書いて、残りまたは途中に下線を引くという書き方で省略するという方法があります。
例:「コミュニケーション」の場合
コミュ_____
例:「汎用人型決戦兵器(はんようひとがたけっせんへいき)」の場合(※アニメ:「新世紀エヴァンゲリオン」内の用語)
ハン_____兵キ
こちらの方法も、書かなくても分かる部分は書かないという原則から来ています。他の単語とごっちゃにならないよう、工夫して省略してみてください。(だいたい、文脈で分かると思いますが)
-年、月、日、時間-
「〜年前から」「〜週間くらい」「〜日間で」「〜時間ぶっ続けで」などなど、期間や時期についての話題が出ることは多いと思います。そこで「何時間、何日」といった単位はアルファベットで省略形を決めて置くと速く書けると思います。
・時間→ Hour から 「h」と書く
(例:1時間くらい → 1hくらい)
・日→ Day から 「d」と書く
(例:2日前 → 2dマエ)
・週→ Week から 「w」と書く
(例:3週間ずっと → 3wずっと)
・月→ Month から 「m」と書く
(例:4ヶ月後に → 4mゴ)
・年→ Year から 「y」と書く
(例:5年前の春 → 5yマエ ハる)
アルファベットは大文字で書いてもいいと思いますし、書きやすい方で試してみて下さい。
-知ってる記号も使って-
「郵便局」という言葉を聞いたら「〶」と書いてみたり、
「コピーライト」は「©」と書く・・・など、あまり頻繁にそういう場面は無いかもしれませんが、知っている記号で省略できる言葉が出てきた場合は、使ってみるといいかと思います。
●ステップ1の終わりに
いかがでしたでしょうか。
ここまでは、現在知っている文字や数字、記号を使ってなるべく速くメモをとる方法を紹介してきました。
次回は少し特殊な符号を使ったメモの書き方を紹介していきたいと思います。と言っても、そこまで複雑なものではありませんので、よろしければぜひ。
それではまた!
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