「花は二度散る」考察のようなもの
※2021-07-26「シナリオ」の項を追記しました
<40mP「花は二度散る」歌:ハナエ,ワカバ(CV:上坂すみれ)>
<キャラクター紹介(公式Twitterより)>
※「何時何分〜」プロジェクトについて詳しくは以下ご参照ください
○二人の前世
MVに出てくる、「絵画に描かれた女性」がハナエの、「絵画を見ている女性」がワカバの前世ということなのだろう。
ワカバ(前世)の「モダン・ガール」的ファッションから、おそらく大正時代(1920年代〜)の設定ではないかと思う。
MV公開前の配信番組(現時点でアーカイブ見れないが)で、40mPがMVだったか本楽曲のシナリオ(7/26公開予定)から、「上坂さんの一人二役である理由」みたいなものが見えてくるのでは、と言っていたと思うが、現時点ではそのへん(前世二人の関係性)が私にはピンと来ていない。
少し飛躍した発想なうえ「前世と今世」というコンセプトから逸脱するかもしれないが、ワカバ(前世)は「絵画の中の女性」つまり「非・実在の女性」(もしくは絵画のモデルとして実在するのかもしれないが、会ったことはない)に恋をしてしまった・・・ということであり、この二人の声が上坂さんによる一人二役(同じ声)なのは、つまりワカバ(前世)にとって肉声を聞いたことが無い相手だから、(声は想像するしかない。自分の心の中で想像する他者の声というのは、結局は自分の声である)という解釈ができるかもしれない。できないかもしれない。(自信は無い)
何にせよ、シナリオの公開によってそのへんもう少しわかることがあるかもなので、楽しみにしたい。
○花言葉
MVと、歌詞(MVの動画概要欄に掲載)にもはっきり出ている花としては「菊」がある。
MVでは黄色と赤の菊が描かれていて、特に「赤い菊」がハナエ(前世)の着物やかんざしにも使われていて印象的だ。
下記のサイトによると、菊全般の花言葉は「高貴」「高潔」「高尚」
黄色い菊の花言葉は「破れた恋」
赤い菊の花言葉は「あなたを愛しています」
もうひとつ、ワカバの髪飾りだったり、ハナエが抱えていたりで描かれている白い花(おそらく同じ花だと思う)があるが、これは歌詞には無いが、「沈丁花(ジンチョウゲ)」だろうか。(※花に詳しくないので、「全然違うよ」という場合はご指摘頂ければ幸いです)
沈丁花の花言葉は、下記サイトによると「栄光」「不死」「不滅」「永遠」
花言葉を調べていてひとつ気になったのは、以下の記述。
ジンチョウゲは、雌雄異株(しゆういしゅ)の植物です。
雌雄異株では雌花を咲かすメスの植物と雄花を咲かすオスの植物に分かれています(他にキンモクセイ、イチョウ、ソテツなど)。
なお、一般的な被子植物の花はめしべとおしべの両方をもちます(両性花)。
雌雄異株のジンチョウゲも昆虫などに花粉を運んでもらい受粉すれば実がなりますが、日本にあるジンチョウゲの大半は雄株で、ほとんど結実しません。
(引用元:花言葉-由来)
このへん、「許されぬ恋」(おそらく同性への恋)を描いていると思われる本作における意図的なチョイスなのかもしれない。
○歌詞と演じ分けからの雑感
本楽曲はCV:上坂すみれさんの一人二役で演じ分けされている。MV映像とも合わせて判断すると、ややダウナーな落ち着いた声色がワカバ、対照的にトーン高め、明るめの声色がハナエだろう。
以下、ワカバパートとハナエパート を色分けしたもの。(間違ってたらスミマセン)
一応、歌い分けが各キャラクターの心情をあらわしている、という前提で、以下雑感。
・「花」は二人を繋いだもの(キャラクター紹介に二人の交流のきっかけが「花」とある)であり、また、二人の関係(恋)を象徴するものでもあるだろう。
・「閉じ込めたはずの想い」「許されぬ恋」
お互いがお互いへの恋心を秘めている・・・という情景が浮かんでくる。切なくも哀しい。
・「夢を見ているだけなのよ 朝が来れば人知れず枯れ落ちる」「咲いた花は必ずや枯れ落ちる」
二人で過ごす時間=意中の人と過ごす時間には必ず終わりが来る。夢は必ず覚める。
・「ねえ、大嫌い?」「ねえ、大好き?」
「花占い」を思い浮かべる。一枚ずつ花びらをちぎっていって、意中の人が自分のことを好きか嫌いか・・・というあれ。楽曲後半の「最後の一枚がそっと風に揺れている」という一節からは、「相手が自分のことをどう思っているか?」決定的なことはわからない・・・というワカバの心情が察せられる。
・「最善の選択肢だよね?」
相手への恋心を自覚しながら、今の関係性を壊したくないがため、お互いに想いを告げることはない・・・もし二人が、知らずに同じ結論に至ったのだとすれば、哀しいすれ違いと言わざるを得ない。それとも、お互いに決定的な言葉こそ交わしていないが、お互いの気持ちを察したうえでこの結論に至ったのか・・・もしそうだとすれば、「最後の一枚がそっと風に揺れている」という一節の解釈もまた変わってくるのだが。
以上。シナリオ公開後、追記するかもしれません。
○シナリオ(2021-07-26追記)
下記サイトで本楽曲のシナリオが公開されました。
ハナエ視点での物語になっています。
以下、雑感。
・MVに登場する白い花は「沈丁花」で合っていたらしい。
・ワカバは、ハナエとクラスメートの会話を聞いて、「好きな人がいる」と同じクラスの男子のことをハナエに告げるが、それは嘘だった様子。楽曲内に
誤魔化して 誰かで紛らわせるなんて
救いようもないよね
という歌詞があるが、このことを言っているのだろう。
・二人の前世での関係性は、本エピソードでは詳しくは書かれていなかったが、
ワカバがあたしの前から去って行ってしまった…あの時と同じだ…え? あの時って?
といった記述から、前世での二人は結ばれることなく、離れ離れになってしまったのではないかということが察せられる。
・今後ワカバ視点でのエピソードや、二人の前世のエピソードがなんらかの形で公開されるかはわからないが、そういう余地もあるかもしれないと思える内容だった。それまでは色々想像を巡らせてみたいと思う。
以上です。
○二人の前世(2021-09-09追記)
「何時何分〜」公式Twitterにて、ワカバとハナエの前世についてのツイートがあった。歌人(ワカバ)と画家(ハナエ)だったのか・・・
MVでワカバが見ている絵画は、ハナエの自画像だったということらしい。
本記事で考えた「絵画の女性(ハナエの前世)は実在しない女性の可能性」は的中せずだった。
しかしこれで前世組のシナリオが全て明らかになったわけでもないと思うので、また何かの形で公開されることを楽しみにしたい。