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昨夜の出来事と、からだの稽古

昨夜、ポチが一時的に調子を崩して、一緒に過ごす中で思い至るところがあったので、ポチが落ち着いた後、そのまま書き記した。

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ポチがさっき夜鳴きを始めて、結構苦しそうになってた。吐き気が波のように来てる。
人間と違って、吐き気もキツさもとめどなく全身で表現するから、そのまま伝わってくる。めちゃめちゃキツイね。よろめいてふらふら壁とか机にぶつかってる。

武術や整体の稽古でやってきたあれこれを、再現的に活かそうとしてみたら、ポチの身体がみえなくなった。
みえなくなってみればそりゃそうで、ポチをみてるんじゃなくて稽古の記憶を見てるから。
目の前のポチと本気で付き合うしかない、今の俺のぜんぶで。

そう接していたら、ポチのどこに触れたらいいか、触れたところからポチの身体をどう観ていくか、わかっていった。
吐きたい感じ、おならしたい感じ、ひとまず出したけど、まだ残ってる感じ。
追っていくと、次々とえずきもおならも出てくる。
ポチが俺の足の中に倒れ込んできたので、ポチのお腹と背中に、俺のお腹と背中を感覚的に重ねて、観察する。何かが応じていて、動いてる。下部胸椎あたりが極まってきた。
そのあたりに触れていたら、吐き気の波がやってきて、吐き出せた。空えずきじゃなくて、ようやく中身が吐き出せた。
ポチの呼吸がホッと和らぐ。
ああ、とこちらも息をつく。
ポチがそのままくたびれて俺の足の中でうなだれているので一緒に休憩。
でもまだ一応気は抜かず観察を続ける。
まだ何か残ってる感じはあるけど、吐いたりして外に出すだけが次の展開というわけでもなさそう。
俺とくっついてるのが暑いみたいでハーハー言い出した。ハーハーの呼吸にちゃんと活気がある!よかった!
ポチをベッドに寝かせて、なでていたら「フー」と一息。落ち着いた。
最後背骨に触れて、気になるところは味わってみる。一段落して、ポチの呼吸も落ち着きを取り戻しつつあるから、おやすみ。

はぁー、よかった...
これまでもあの感じから入院したことが2度あった。歳が歳だから、いつどうなってもおかしくない。怖かった。
ひとまずはこのまま緊急事態にならなくてよかった。
今一度ポチを見に行ったら、くつろいでた。
まだ明日も様子を見ていく。

稽古経験を活かそうとしたら、ポシャった。
でも、目の前のポチと向き合おうとしたら、稽古経験が活きた。これまで身体と共にしてきた諸々の経験が活きた気がする。
「活かそうとする」と「活きる」って全然違う。

技術も過去の経験も、頼れない。
今の自分自身が、そのままに引き受けるしかないところからしか、始まらないんだろうな。

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