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やめられない人間コレクション、はじめてのタロット占い
雑談をする。
というよりも、一方的に、言葉を浴びる。
面白いな、こんな人もいるんだな、と思う。
とつぜん、ぐぐっと体ごと近づかれたり、手を出したくても君と僕の年齢差を考えると無理だね、なんて言われたりする。
そんなことが、最近立て続けにあった。
温泉に行って、洗い流したくなった。
温泉の代わりに、タロット占いをお願いすることにした。
すぐそこに、いらっしゃったので。
・・・
シャッシャッとカードを切って、ぽこんと飛び出してきたカードを見る。
どんなカードなのか、浮かんできた言葉は何か。
聞いた後に、わたしの頭に浮かんだ風景や記憶、言葉を話す。
「なんでだろう、って思って話を聞いてみることは確実にわたしを豊かにしていると思うんです。だけど、わたし何してるんだろうってポカンとしちゃうときもあります。世の中には、聞きたい人よりも、話したい人が溢れている気がする。消費されて終わる感じ」
「まあ、やりたくてやっているんですけどね」
「わたしと話していた時間のぜんぶを、自分に好意があるのかないのか、いけそうかいけなさそうかを判断する材料にされた感じがしてむなしい」
「材料集めてから恋愛モード発動するまでのスピードが早すぎてついていけない。相手がその時間をどう受け取るかは、コントロールできるものではないですけど」
「怒るよりも、なんでだろうって想像する方が、後で後悔せずに済むことが多いです」
何度も何度も、自分のためなので、
相手にはそう見えてるかもしれないけど、ってわたしが言うから、
わたしがびっくりしてしまった。
何に対して断りをいれているのかな、と。
・・・
いくつかのカードから、気になるものを1枚選ぶこともあって、
その時わたしはバーでお酒を飲んでいる人を選んだ。
どこか外にいて、背景に険しい山が見えたから、
ここはどこなのか気になって。
全体的に、グレーがかったカードだった。
そしたら、その後立て続けにグレーの人々が出てきた。
「この人たちに止められて、時間とエネルギーを消耗しちゃって、本当に会いたい人や行きたい場所に行けないんだね」
ストッパーのグレーピーポー。
彼らをコレクションしようとしてる?と聞かれて、ドキッとした。
まさに、”手を出せないね”おじさんのことを、占い師だったので占い師も人間だったって文章を書いて、他にも集めて人間だったシリーズの図鑑でも作ろうかとぼんやり考えていたところだったのだ。
そうやって、形にすることで乗り切ってきた。
と、思っていた。
タロット占いをやってもらって気づいたのは、
自分がうまく対処できたと自負していたことの大半が、
実は表面をちょいちょい整えただけだったということ。
前向きであろうとして、内側を置き去りにしてる。
怖かったなあとかキモかったなあとかそういう感情を
後からいくらでも思い出すし、なんなら夢にも出てくる。
わたしは今でも、自分のことを
降り立つ星を間違えちゃった宇宙人だと思っている。
どうしてわたしにはあるべきものがないのか、
そんなこと考えても意味ないよ、とどれだけ自分を言いくるめても、
結局は嘆きたくて仕方ない。
自分を探ってもわからない、ならば、と
他者に答えを求めに行って、
だけどやっぱり欲しい答えは見つからなくて。
結局、なんでこの世界はこうなってるんだ、
わたしは宇宙人だってところに行き着いてしまう。
ちゃんと、怖かったキモかったに目を向けないから。
視野が狭くなるぞ、ほら、それより相手の背景に目を向けないと。
投げかけてくる、心の中の鬼軍曹の残党。
・・・
「彼らには言葉が、そう、言葉がないんです」
さっき口にした言葉が、自分にも返ってくる。
わたしはこうしたいし、相手にもこうしてほしい。
伝えないことには、一生負い目を感じながら、
わたしが”普通”の恋愛ができないくせに
他人に興味を持つからいけないんだ、とか
おかしな方向に突き進んでしまう。
見誤ってはいけない。
次があったら、こう言おう。
”いい感じ”をキャッチしたのなら、まずそれを言葉にして、
行動に移したいと思ったのだけど、いいかしらとか聞いてほしい。
”いい感じ”からのびる「→」の先にあるものは、人それぞれなんだから。
堂々と開き直ってやろう。
(そういえばこの前youtubeに流れてきたShortの動画(韓国ドラマの切り抜き)で、「キスしてもいい?」ってムーブを起こす前に片方が聞いてたことに対してグリーンフラッグを立てるコメントが数1000件ついてた。希望を感じた。性的同意とも関わるってくるよねこの話題って)
・・・
自分の選択肢が増えるんだから、でもでもわたしには見えてない面があるかもだし、と自分をわざわざ仕向けなくても。
なんでこうなっているんだろう、この人の言葉の背景には何があるんだろう、って本当にワクワクしたら、勝手に知りにいくんだから。
この人との関係性を諦められないと思ったら、頑張っちゃうんだから。
自分の寛容性を証明することにエネルギーを費やさなくてもいい。
わたしから見えているのがグレーの面なだけで、
たぶん、違う色の面もその人は持っている。
それをわざわざわたしが見に行かなくてもいいのかもしれない。
この人とはさよならバイバイでいいな。
誰かにとっては、大事なお茶飲み友達なのかもしれないけど、
わたしにはそうじゃない。
それは相手を否定することにはならないから、
安心していい。
わからないなら、すれ違えばいい。
わたしの美しい庭で、統理もそう言ってたね。
・・・
これまでは、
美しいものをちゃんとキャッチできるように、その練習として、
閉じていたところを開けにいく過程にいたんだと思う。
開けて、とにかく吸い込んだ。
自分の中に言葉が増えたから、
本を読んでいても授業を受けていても
目に留まって問いが浮かぶ部分が本当に多くなった。
毎日楽しい。
でもそろそろ、
自分のためとか言って無理して好奇心を向けるのは
わたしの健康と安眠のためにやめようかしら。
やめたいかしら。どうなのかしら。
簡単にはやめられないね、クセになってるものを。
選ぶとか、閉じるとか、
間違えちゃったらどうしようって怖いよね。
・・・
わたしが、力と時間を注いで関わるべき人たちが見つかる時がくる。
どこか、タワーがある場所で(東京、かも、、、?って感じだった。まじか)。
グレーの人たちとは、すれ違う程度になる。
その言葉を胸に、もうちょっと、自分の「嫌」と「わからない」を大事にしよう。
オマケ
![](https://assets.st-note.com/img/1695794843004-JGbcIktoNN.png?width=800)
この絵の中には、実は馬がいる。
その馬を見て、ああ、こいつはわたしだなあって思った。
さて、どこにいて、どこを向いているでしょうか。
立ってる?座ってる?
あなたは、どこにいそう?
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