金融教育を考える

0.はじめに

 高校生向けに金融教育というものが行われているとのことでその内容をみてみました。

大学生の収入として、奨学金、住宅ローンは皆使う当然のものと表したり、海外株式投資はリスクは大きいけど、リターンも大きいといった表現(国内株式も大差ない)等気になる点はありましたが、内容としてはそんなに間違ってないと思います。
ただ高校生の頃受けたかったかといえば、正直どっちでもいいなと感じました。そこで高校生だったころの自分向けに金融で知っておきたいことを書いてみようと思います。

1.お金とはなにか

これは色んな意見があると思いますが、お金は交換して初めて価値を持つと考えています。そしてその交換先は以下の2つだと思います。
1)生きるために必要なもの・こと
2)自分を幸福にするために必要なもの・こと

1)は非常にシンプルで想像がつくと思います。食料や水を買うためにはお金が必要です。勿論自分で用意できる人もいると思います。
2)は人それぞれです。おいしいものを食べる、旅行に行く、家族のために使う等いろいろなものがあると思います。
多くのお金を持っていれば色んなことができるでしょう。

幸福は他者と比べないほうがいいと思います。SNSではその人が外に見せたい自分が表現されています。その人たちにも苦労している部分があるので、単純に見えたものだけで想像して、その想像と自分の幸福を戦わせることは不幸になる可能性が高いと思います。

2.お金をどのようにして儲けているか

 例えば Google は無料でアカウントを作成させてくれ、さらにはいろいろなアプリケーションを無料で使用することができます。
でも彼らが善人だからそうしてるのではなく、彼らにもそれらのコスト(費用)を回収する手段があるわけです。
Youtube は無料で見れますが、宣伝広告をすることで利益を得ます。
銀行はお金を貸したあとの金利で利益を得ます。
これらはビジネスなので当然です。

「ただより高いものはない」という言葉がありますが、ただに見えるものはなにかの回収手段があるということで、それが何かということを調べる必要があるということです。

3.お金を貯める

〇 コストを減らすこと

お金を増やす上で儲けることより簡単なことは、コストを減らすことです。例えば携帯電話を格安SIMにしたり、良いプランを選んだりするとそこまでストレスなく生活コストを下げることできます。
あと人によってはストレスかもしれませんが、微妙な買いものを減らすことだと思います。
無駄にコンビニに寄っていろんなものを買って、冷蔵庫で腐らせる等といったことが発生しなように、不要なものを買わないようにするとコストを下げることができます。
ただそういうことが好きで止めると、人生の満足度が下がりそうということ人であれば、それは必要な出費なのかもしれません。
(私も旅行先では全くケチらないタイプなので)

また新入社員で企業に入るとよくあるのが保険の勧誘です。会社の福利厚生や健康保険でカバーできることのほうが多いので、特定のリスクがある場合等を除けば本当に必要か検討する必要があります。
車の保険に関しては入ったほうがよいです。それでもコストを抑える意識はあったほうがいいと思います。
こういったコストは日々払っていることを忘れ、無関心になりがちなので加入時に気を付けたほうがいいと思います。

〇 分割払いに気を付ける

リボ払いや分割払いは利子が付きます。最悪の場合、利子だけ返していて借金が減らないという構造になります。

例えば借金額が40万で年利18%(リボ払いでよくある金利)で、月々2万返すとします。
そうすると借金(40万)を返すのに使われているのが12,505円、利息分が7,495円になります。
つまり1/3が利息に使われます。
借りる場合はかなり注意する必要があります。

借金については、親しい人であっても保証人というものにならないように気を付けてください。
保証人はその人が払えなかったときに、代わりに払えといわれる存在です。
そのため自分がその借金を背負うくらいの感覚がないと、簡単にはなれないものでありリスクが高いことを認識してください。

〇 銀行に預けるときは1銀行最大1000万

金融機関が破綻しないというのは幻想です。ペイオフという制度があり、破綻した金融機関に口座を持つ預金者に対して、預金者1人当たり1000万円までの元本と利息を保護してくれる制度です。
そのためある程度お金が増えてきたら、銀行を分散することも考えたほうがいいと思います。

4.お金を増やす

〇 一番効果的なのは自己投資

何かのスキルを習得して給料の高いところに転職するといった行為は、非常にローコストですが一番効果があります。
私も年収が一回で300万位挙がったことがあります。同じ利益を上げる場合、投資だと3000万の元手で10%位の利益を上げないといけません。
しかも自己投資の場合、元手が減るリスクがないわけです。

投資の世界で10%は中々困難です。かつ元手が減るリスクがないものはありません。もっというと貧乏人にそんないい話は来ません。
元手を作るためにも自己投資が最も効果的だと思います。

スキル習得に関しても気を付けたほうがいいのはコストを抑えることです。

〇 マンション投資「あんまりやらないほうがいい」

中堅どころになり少しお金が溜まったくらいで、謎の営業電話がくることがあり、このマンション投資の話があったことがあります。
私は日本は人口が減り空き家も増えるだろうから、あまり魅力的に感じていませんでした。
その業者は東京オリンピックで地価が上がり、マンション価格も上がるということで提案されていました。
見せられた資料は一定のコストはかかるが賃料でそれを回収でき、最後にはあなたの物になるからよいというものでした。

建物は古くなるので修繕費は増加し、築年数が増えるので家賃も下がる可能性があります。また空き家になれば賃料が入ってこないこともあります。
サブリース契約で家賃保証してくれるといわれましたが、これがついていると今度は販売するときに価格が下がったり、トラブルが発生します。
相当勉強して相場観や今後の情勢を読む力を持たず手を出すと、自己破産するリスクもあります。

また銀行で住宅ローンを自分が住んでいない家に対して借りると、一括返済、さらに悪質と思われれば詐欺罪で告訴されるケースもあります。
本当に気を付けてください。

〇 株・投資信託

 実施する場合、Ideco、NISAといった投資で得た利益が非課税となる制度があるので活用することをお勧めします。
投資信託は手数料に気をつけてなるべく低いものを選択してください。
株なのに対象が債権・金とかのETFもありますので、いろいろ調べて見てください。
投資全般に言えることですが、生活費用や当面のお金を残して、余剰資金でやるようにして、リスクをコントロールするようにしてください。

基本的に私たちには相場に関係するすべての情報が入るわけではありません。そのため予想しても外れることがあります。
外れた場合にはどうするかあらかじめ決めておくことをお勧めします。
マイナス方向に外れた場合は、以下のような対応があると思います。
1)すべてなくなっても構わないのでそのまま
2)損切する(私は個別企業の株は7%下がったら損切してます)
3)追加で購入して購入価格をさげる(本当に自身がある場合)
プラス方向に外れた場合、浮かれますがある程度油断せず利益を確定する必要があります。

〇 債権

 債権は資金を貸して金利をもらう仕組みで、その相手が国であれば国債といわれます。国債だと最初に貸したお金が返ってこないリスクは少なく、安定して金利をもらうことができます。その分もらえるお金は少なくなります。
外国債券の場合は為替リスクというものがあり、円高・円安にも影響を受けることになります。
安全資産と言われていた米国債が急激に下がり低迷している昨今です。
未来を見据えて泰然自若と構えつつ、変化にも対応するという相対することをしなければならないのが投資全般に言えるむずかしさなのかもしれません。

〇 その他

 色んな投資話がありますが、まずは最大のリスクを自分で調べることだと思います。紹介されている資料だけを鵜吞みにしないことです。
また紹介している業者があんまり聞いたことがない場合、金融庁の登録を受けているか調べる必要があるでしょう。

また確定申告という、1年間の所得から納めるべき所得税の金額を計算し、国に報告する手続きがあります。(正社員の場合は企業がやってくれるので意識しないことが多いですが、これが政治への無関心を招いていると思います。)
投資で儲けた金額は何らかの形で報告する必要があるので、それらも含めて調査するようにしてください。

金融の状況は時代とともに変化していきます。
そのため自分で情報収集をする必要があります。
誰かに教えてもらい、それを鵜呑みにするというスタンスはカモになりやすいです。
そのため収集した情報が正しいか、公的機関の出している情報やデータと照らし合わせて考える必要があると思います。
金融教育で大切なことは知識ではなく、自分で情報を収集し、様々なオフィシャルなデータと照らし合わせて思考する姿勢を身に着けることなのではないかと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?