「バイラル・ライバル #01」 タピ子 Queen of the Sweets
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たうたうと漂う朝もや。その中に奇岩の峰々がうっすらと浮かんでいる。まるで水墨画のような景色の中、静かに、ゆっくりと朝焼けの朱が差していく。それはまるで、染み入るかのように。
タピ子はカルスト奇岩の上で独りたたずみ、その光景を眺めていた。タピ子は思い浮かべていた。前日の死闘。かき子がその末期に叫んだ言葉を。
『ふっふっ……調子に乗っていられるのも今のうちだ……お前の首を狙い、スイーティア全土から強豪たちが集ってくる……お前の命運が尽きるのも……ぐっ、