「バイラル・ライバル #02」 タピ子 Queen of the Sweets
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連なる奇岩の峰々。水墨画めいて幽玄なる風景。ぽつんと、その片隅に一軒のあばら屋があった。それは吹けば飛ぶような粗末なものだ。しかしその中の調度は丁寧に整えられ、清潔である。その様子からはそこに住む住人の几帳面な性格を見てとることができる。
そのあばら屋の中、旅支度を整える少女が一人。タピ子。タピ子は旅支度の手を止めると、ふと、己の手のひらを見つめた。そしてその手を握りしめ、開き、また握りしめる。「……」タピ子は無言のまま握りしめた己の拳を見つめた。そ