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【読書】読めば主夫の技も心も一段上がる|「主夫になろうよ!/佐川光晴」

タイトルに惹かれて手に取った「主夫になろうよ!」を読み終わりました。

作者の佐川光晴さんは兼業主夫歴20年以上の大ベテラン。そんな佐川さんの経験と本音が詰まったこの本は全ての主夫のバイブルになるのではというのが一番の感想。

前半が佐川さん自身の経験を元にした主夫業をする人へのアドバイス、後半が主夫生活のエッセイという二部構成になっています。

■共感した主夫エピソード

ぼくが主夫になっていったのは、彼女(妻)が家事よりも仕事に比重をおく人だったからだが、ぼくの内心の欲求でもあったのだろう。

佐川さんは大学時代の寮生活のおかげで家事全般をなんなくこなす素地ができていたそう。そこに「家事よりも仕事に比重をおく」妻がやってきたという構図。まさにわが家もこんな感じでした。

私は小さい頃はコックさんを夢見ていたほど小学生の頃から料理が得意でした。社会人になって、スーパーマーケットから徒歩30秒の家に一人暮らしをするようになって、まるで巨大冷蔵庫付きの厨房を得たかのような感覚に。

そんな自分を選んでくれた妻はバリキャリの女性。普通に考えれば私が炊事をやったほうが色々と捗るのは明らか。この辺は「男だから」「女だから」という思考を捨てて、合理的に考えてみたら良いんじゃないかなと思います。

仕事部屋がないというよりは、家全体が仕事部屋という感覚だ。

やっぱりこの状況は主夫×自由業あるあるなのか(笑)

自分はPCがあればどこでも仕事ができてしまうので、気分によってリビングで仕事したり書斎(兼寝室)で仕事をしたり。

そして部屋の移動の際に落ちてる服を回収してついでに洗濯機を回すなど、家の中にいれば自然と常に家事にも取り組む。こんな感じで家の中では常に働いてしまう。

なので休みたいときは外に出ないと休めない(汗)

中華鍋をふっているわたしも身体の芯まで熱が通るらしい

これもすごく分かる感覚。料理好きな人って、料理を通じて元気になるんですよね。

わたしは主夫をするなかで、小説や音楽や絵画や演劇が人間の暮らしにとっていかに必要なものかが、ようやくわかった気がしました。

私も最近、小説や芸術に興味が出てきました。これは主夫生活に取り組むようになったのも要因の一つなのかもしれない。

主夫としての仕事、特に育児に向き合っていると、ふと人の生活には余白が大事だと思う瞬間があります。

■参考になった主夫アドバイス

できるだけ身ぎれいにしましょう!

自分がどう思っても、主夫に対する世間の目はまだまだ冷たいことを認識すべし、という教え。

ぼくが洗濯した服を着て、ぼくが作ったご飯を食べて育った子どもたちが、学校で活躍している時間はぼくの時間でもあるんです。

この発想は新鮮だった!

家事・育児は時間を奪われるものではなく、家族の活躍をバックアップする行為である。つまり家族の活躍=自分の活躍。

この考え方、とても素敵。

男親であるわたしには、よからぬうわさを吹き込んでくる知り合いもなく、”のん気”なかまえを崩さずにいられるのがありがたい。

いわゆる「ママ友」からの情報に振り回されなくて良いのは主夫の強みなのかも、と思った一文。

■「へぇ」と思ったはしがき

はしがきで紹介されている豆知識も面白く、本編そっちのけで読み入ってしまうものもありました。

最後に、そんなはしがきの中から「へぇ」と思った豆知識を。

・ジョン・レノンも主夫だった時期があった
・江戸時代には、男性が家事育児にかかわることは当たり前だった

また、はしがきの中で、以下の主夫マンガがお勧めされていたので、次はこちらも読んでみようと思います。


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