見出し画像

「すばる」リニューアルの秘密、教えます①

6月号より「すばる」がリニューアルしました。

どんなコンセプトで進めてきたのか、まずは編集長のコメントをご紹介します。

「すばる」は1970年5月に創刊しました。2020年5月より創刊51年目となります。このタイミングに合わせ、表紙と本文のリニューアルを行いました。
 デザイナーの重実生哉さんと幾度となくやりとりをし、最終的に現在のかたちになりました。

 ◎表紙について
 リニューアル前の、主な内容が表紙に掲載されているコンセプトには好感を持っていました。したがって、その特性は維持しながら、もう少し可読性の高いものにしたいと考えました。
 テイストとしては、文芸誌としてのクラシックな佇まいを保ちつつも重厚さではなく、今の時代に合うような新しさと軽やかな印象も持たせたいと思いました。
「すばる」の新ロゴも、そのような考え方に基づいてプランを出していただき、その中から今のものに決めています。シンプルに見えますが、重実さんのこだわりが生きているロゴだと感じています。ぜひご覧いただければと思います。
 従来の表紙は、ヴィジュアル要素と色合いについて毎月考える部分がありましたが、新デザインでは、近藤さんのアートワークも含め、基本的に全体で(スミを除いた)色彩としては2色で示していくかたちになり、より安定して、調和のとれた表紙を見せていけるのではと思っています。

 ◎本文について
 こちらも同様に、伝統的な文芸誌らしい趣きと、今の読者の方が古めかしくは感じずに馴染め、読みやすいものにしたいと考えました。
 文字組については書体の種類もありますし、個人の好みの問題も大きいのですが、重実さんに上記のコンセプトで絞り込んでプランをいただき、漢字とかなの組み合わせについて、最後二つの案で迷いましたが、今のかたちに決めました。今の文芸誌として調度よいバランスにできたのではと個人的には思っています。本文の文字数は従来と変わりませんが、ポイントをやめてQ数にしたため、文字面の大きさは若干変わりました。
 また、目次のデザインを大幅に変えましたので、従来よりも見やすくなっています。誌面に直接は反映されませんが、技術的な事柄についても改善したりしました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?