独り言
一旦、愛想を尽かそうと思う
これまで何度も、何時間も、何日も、何年も話をしてきた
いいところをたくさん知っている
悪いところをたくさん知っている
気が合う話は楽しいし、気が合わない話ですら楽しいもんな
それでも本当は腹の底で言葉にできず、色々なものを抱えて生きてきただろう
そこに根拠の本質があるんだろう
だからこそ伝えたいことはたくさんある
だからこそもう何も伝えない
投げたボールが返ってこないことを、投げ返してこない相手のせいにするのは間違っていた
軽く投げたつもりのボールを相手が取れないとして、軽く投げただけなのに、と言い打つことは残酷なことだよな
何とかしたいという感情でしか誠意を、友情を示せない自分を、一度殺すことにする
何とかしたいと思うことそのものが間違っていたのかもしれないと思う
一方で本当はそれが欲しいのかもしれないとも思う
ただ己の尺度で測ることは、少なくとも今は無粋なんだろう
その先がバッドエンドだとしても
遠回りだとしても
新たなスタートラインだとしても
それを決めるのは俺ではない
正解を突きつけようとすること自体が傲慢な振る舞いだと今は思っている
だから、一旦愛想を尽かす
真剣に、愛想を尽かすんだよ
俺の言ったことは気にしなくていい
ハッピーエンドを目指して進めばいい
ただ、いつでも連絡してほしいと思う
何があろうと昨日会ったように話せる男がここにいる
これは約束でもなんでもなくただの独り言だ
思うままに往けよというエールだ
俺にここまで言わせる覚悟ができているなら
答えが出るまで、終着点まで、進んでみせろ
もちろん進めなくても恥じずに笑ってくれよ
俺はそれを笑わない
変わらないままで、変わり続けていようという
俺からの約束だけ置いておく
死地のその先でまた会おう
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