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*逃げの一歩


私の踏み出した一歩は、
決して明るい気持ちからではなかった。

逃げの一歩


入社して2年目の4月に学校に入った。
会社には内緒で、とある資格を取るための学校に。

入社1年目は、これまでの人生で最も長い1年のように感じた。
当時の自分はその時のことを
「水を得たい魚」
と表現をしていた。なるほどうまい例えだ。

息辛くて 生き辛くて
本当に苦しかった。早くここから出たかった。

でも私には資格がない。
何か秀でた能力もない。

そんな時、今の学校を見つけた。
2月くらいだったかな。

何の資格かはここでは書かないが、実習が必要なものだった。
実習に行くのは次年度。
それまでに必要な単位を取り、
実習への切符もとい、"退社への切符"を手にする為。
私の脱獄計画はスタートしたのである。

これが"未来へと踏み出した一歩"なのだ!って言っても、まぁ間違いではないだろう。

実際、思っていた以上に私は、
その資格との相性が良いことが判明した。

思わぬ収穫である。

勇気を出して踏み出す一歩
未来へと踏み出す一歩。

素晴らしい行いだけのように感じる。

だけど、私のような一歩も、
きっとあっていいと思うのだ。

逃げるための一歩。
逃げの一手。

「逃げるが勝ち」ともいうじゃあないか。

逃げて 逃げて 逃げ延びて
最後に笑った方が勝ちなのだと。

やってやったぜ!と勝ち誇った
あの日のような無邪気な笑顔で

未来の自分が笑ってるといいな。

おしまい。

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