経営者と臨床家の姿勢と覚悟の本

鍼灸師が鍼灸以外の書籍で臨床の支えになった書籍を紹介しています。

読んだ書籍④
「カウンセラーは何をみているか」 信田さよ子 著 医学書院 刊


カウンセラーの「姿勢」「覚悟」が本書のいたるところから、
「凄み」をもって伝わってきます。

保険制度に守られてない中でカウンセリングセンターを経営する「経営者」の立場、クライエントの問題解決をする「臨床家」の立場。

この二つの立場で医師にはできないこと、医療では実現できない援助を、
医療現場とは異なる「言葉」を使い、自身の臨床経験を通じて実践する。

そしてクライエント・社会からの評価を受ける。


自費で鍼灸院を営んでいる鍼灸師にとっても、構造的にも似た部分があることから、2つの立場の両立と臨床実践の厳しさと困難さの一端は理解しているつもりです。

著者の気迫を伴った「姿勢」「覚悟」に、圧倒されながらも
身の引き締まる思いでした。


また「共感」など良く耳にする言葉についての深い考察、
カウンセラーとしての在り方、話の聞き方は私にとって非常に
力になるものでした。

いい意味でタイトルから想像していた内容とは違ってました。
これも本との出会いにおける魅力のひとつでしょう。




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