「気軽にメモを投稿できる場」としての有料noteを1ヶ月やってみての気付き

気軽に、雑でもいいから技術メモ的な記事を投稿できる場が欲しい → 有料noteでやればいいのでは?

ということで約1ヶ月間、「雑なメモ置き場」という定期購読マガジンをやってみました。値段はなんと驚きの1500円。高いとは思いますが、自分としてはそれなりに考えての値付けでした。

で、まず結論からいいますと、試みとしては失敗でした。

・・・いや、繰り返しになりますが、自分としては全然ありだと思ってたんですが、実際にやってみると、いろいろ「これはないな」という面が見えてきまして、購読していただいている方々にこれ以上の出費をさせてしまうのも申し訳ないということで、次月の課金が発生してしまう前に廃刊しようということで手続きを行いまして、昨日1/31をもって終了しました。

とはいえ、やってよかったかどうかでいうと100%やって良かったと思っています。「気軽に記事を投稿する場が欲しい」という当初のコンセプトは十分に達成されていたし、蓋をあけてみればいろいろうまくいかなかったものの、それらは(私にとっては)やってみないと気付けないことばかりでした。

そういう気付きや、どこらへんがうまくいかなかったのか、ということを書いていきたいと思います。

「気軽に記事を投稿する場が欲しい」という当初のコンセプトは十分に達成されていた

マガジン開始当日か翌日に、2人の方が購読者になってくれました。負け惜しみではなく、想定していた人数でした。ゼロではないけど、せいぜい最初は1人2人だろうなと。

しかも知っているエンジニアのお二人だったので、当初のコンセプト通り、僕の心理的安全性は完全に維持され、仕事の中で調査ついでに書いた技術メモ、誤解を恐れずバーッと書いた雑文等々、毎日「あれも書ける、これも書けるぞ」とワクワクしながら投稿していました。

「購読者は少なくてもいいが、リアクションは欲しい」という自己矛盾

想定外だったのは、その後まったく購読者が増えなかったことです。いや、なんとなく、記事を気軽にポンポンと投稿しているうちに、マガジンの記事一覧が充実してきて、ちょこちょこと購読者が増えてくるんじゃないかなという淡い期待があったんですよね。なんとなく。(この点については別項で書きます)

前述の通り「読者がこの世に2人しかいない」状態だと、心理的安全性は完全に保たれるのですが、そのお二方のどちらからもリアクション(スキ)が得られないと、記事を書いても書いても誰にも読まれてない気がするわけですよ。スキされなかった記事に関しては、読んでイマイチだったのか、読まれてもいないのか、知る由もない。

つまり、購読者は少なくてもいいと思ってたくせに、リアクションは欲しいという矛盾が自分の中にあったようです。よく考えてみたらもともと自分しかアクセスできないプライベートブログは持っていて、そのうえで「気軽に投稿する場が欲しい」と思ったわけなので、そこには「人に読んでもらって、良いと思ってほしい、褒めてほしい」という願望も含まれていたわけですね。このマガジンをやってみるまで完全に自覚がありませんでした。

心理的安全性がある ≠ どんなことでも気軽に投稿できる

こうしてわずかな購読者のリアクションを拠り所にすると、当初はあれも書きたい、これも書きたいと思っていた「書きたいものの幅」がだんだんと狭くなっていく、という心理状態も観測できました。

2人の購読者のうち、1人の方はスキをつけてくれたことはなく、もう1人の方は基本的に「技術ネタにだけ」たまにスキをつけてくれていたので、技術以外の投稿はなんとなく求められていない気がしてきて、減っていきました。

あと、これは記事自体の質が低かったせいもあると思いますが、スキが0や1の記事が自分の「記事一覧」に増えていくのは精神健康上あまり気持ちよくないなとも思いました。

思ったより面白いことが書けなかった

僕は長い間自分のブログQiitaに多くの技術記事書いてきたのですが、先月書いた「エンジニアという仕事を楽しみ続けるためには」というnoteが900ブックマーク、470スキぐらいを獲得してて、こういう感じの「技術記事とはちょっと毛色の違う、自分の考え方や働き方の話」も書いていきたいという思惑が当初はありました。が、今の僕の実力では、時間をかけて推敲して書かないとこういう系の話は全然おもしろくならないなと。

いや、そこは想定していたと思います。でも最初はイマイチでも、心理的安全性を感じられる場で気軽に投稿し続けるうちに、早く、精度高く書けるようになっていくかなという淡い期待がここにもあったわけです。

・・・が、やってみて、前述したようにリアクションがないまま書き続けることもできず、そういう鍛錬の場としても機能しなくなってしまいました。

やっぱり金額には見合ってない

冒頭に貼った「なぜ1500円なのか」の記事に書いたように、双方向コミュニケーションではないものの、「フィルタを通していない」僕の考えや日々の気付きを読めるというのは准サロン的な価値があるかなと思ってたのですが、僕が気軽に書いた文章にはそんな価値はないなと。

順番を間違えました。気軽に書いてもそういう価値を出せるようになってから、そういう値付けをすべきでした。というわけで今の購読者の方にこれ以上の出費をさせては申し訳ないということで、翌月の課金が発生する前に廃刊の決断をしました。

出直します

次は月額400円で、もうちょっとちゃんと「見合う価値」を購読者の方に届けられるように出直します。

前マガジンの反省をふまえ、あれもこれもここで書こうとは思わず、基本的には技術メモや仕事関連の話(=気軽に書いてもある程度の実用性が出せる)を投稿していく場にします。記事がある程度充実してきたらご検討いただけますと幸いです。

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