幸せは"どこに"あるのか?
2009年に撮影・放映された加藤周一のドキュメンタリー、『加藤 幽霊と語る』の中において、戦死した彼の親友である中西は、今では幽霊となり加藤と言葉を交わすのだと、加藤自身が述べている。『私は死を目前にして、友人たちや家族の幸せや無事を祈った、戦争には反対する―』中西は変わらない立場から言葉でない言葉を加藤にずっと語りかけている。さらに広島での体験も手伝い、加藤は未来を約束された道から外れ、比較文学の世界へと進み、日本を医学からではなくその精神から治療することを試みた。彼の素