「大人っぽく、ってなんだろう?」
『お誕生日おめでとう』
『また1つ、大人になったんだね』
「りーも、せっかくだから大人っぽくしてみたよ」
「どう?似合ってる?」
『うん、凄いきれい』
「わー!嬉しい!」
『喜び方が大人じゃないけどな』
あどげない姿に思わず笑ってしまう。
「あー!りーのことバカにしたでしょ!」
『バカにはしてないよ。ただ、かわいいなって思っただけ』
「またそう言って…りーだってもう騙されないんだからね」
ほっぺたを膨らませ、そっぽを向いて怒っている。
その姿さえ、愛らしい。
『でも、本当綺麗になったよな。』
「あ、ありがとう…」
照れを隠せない理子。
「大人になるって、何なんだろうね」
『そうだな。俺が思うのは、大人になっても歳を重ねるだけで、
何も本質は変わらないと思うけどな』
『大人になって色々変わっていくより、
俺は変わらない人の方が素敵だと思う』
『理子もそう。可愛らしいけど、努力家で、負けず嫌いで。』
『俺は、そんな理子が、大好きだよ』
理子を見ると、顔を真っ赤にして
俺から目を逸らしている。
「私も、大好きだよ」
そう言って、理子は俺の胸元に飛び込んだ。
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