「もう幾つ寝ると」
『もーいくつねるとー、おしょうがつー』
娘の理子は相変わらず上機嫌だ。
「ハハ、理子は元気だな」
『だって、おしょうがつはパパとずっといっしょにいれるから!』 『いっしょにテレビ見て、ゲームして、 おもちゃで遊んで、おもち食べて、パパといっしょにねれるんだもん!』
「そっかそっか、パパも楽しみだな」
妻の理佐は実家の手伝いに駆り出され、
ここ数年、理子とふたりっきりになっている。
小さい時は理佐がいなくてグズっていたが、
最近は妻に似てしっかりしてきて、成長したなぁ、と感じる。
この前も 『
パパに褒めてほしいから、テスト頑張ったんだよ!』
と、満点の解答用紙を見せてきたので
「理子、頑張ったな、よしよし」
と頭を撫でると 『
やったぁ!パパに褒めてもらえたぁ!』 と両手を口の前にあて、
嬉々とした表情をしていたのを
鮮明に覚えている。
今夜の夕飯はオムライス。
僕の唯一と言っていいほどの得意料理だ。
『ん~~!!おいしい!!!』
全力の笑顔を見せてくれる理子。
僕も思わず、笑みが止まらない。
『ママのごはんもおいしいけど、 パパのもおいしい!』
「そうか、パパも理子が喜んでくれて嬉しいな」
『ねぇ、パパ』
「ん?どうした」
『1年、もうすぐおわるね』
「うん」
『でも、りーはうれしいんだ。 1つ大きくなれるから』
「うん、そうだねぇ」
『りーはね、大きくなったらパパのお手伝いをしたいんだ』
「ん?どうして?」
『りーは、頑張ってるパパが大好きだから』
『そばにいて、応援したいんだぁ』
「パパ、嬉しいなぁ」
『りーは、大きくなるから、 来年も、そのまた来年も、 ずっとずーっと、りーといっしょにいてね』
理子との約束を、ずっと守っていたい。
そう感じる、一時だった。
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