コラム・住職の方丈記31 ~ 彼岸花は天界の花? 2023.9.22
秋のお彼岸ですね。
「暑さ寒さも彼岸まで」といいますが、今年のキビシイ残暑もお彼岸を境に涼しくなってくれるといいのですが…
さて、お彼岸といえばみなさんは何を思い浮かべますか?
ご先祖さま、お墓参り、おはぎ、お月見、ススキ…
わたしはこの時期になると彼岸花のことを思い浮かべます(というより、境内のあちらこちらに咲くので、よく目にします)。
カレンダーか予定表でもインプットされているのかと思うほど、毎年秋のお彼岸に合わせて咲く彼岸花。
今年はいつまでも暑いのでどうなんだろうと思っていましたが、先日しっかり咲きました。
お彼岸の頃に咲くので彼岸花ですが、別名を曼珠沙華(まんじゅしゃげ)といます。
ちょっとインドっぽい響きですが、それもそのはず、曼珠沙華とはサンスクリット語 manjusaka を音写したものだからです。
この曼珠沙華、実は『法華経』というお経の序品(じょぼん、=序章)に出てきます。
お釈迦さまが仏法を説かれた後、瞑想に入るや否や曼珠沙華など四種類の花が天から降ってきた、と。
天から降ってきた花ということは、曼珠沙華は天界に咲いている花?
うちでは境内のあちこちに咲いていますが、どちらかというと木陰などちょっと薄暗いところに咲いており、真っ赤なあの花の形と相まって、どことなくこの世のものでない雰囲気が感じられます。
調べてみると、日本の各地には曼殊沙華の名所があるようなので、機会があったら行って見たいものです。
追記:
埼玉県日高市の巾着田(きんちゃくだ)曼殊沙華公園は、500万本もの曼殊沙華が群生していることで有名です。
ここでは、曼殊沙華の開花にあわせてイベントがおこなわれているようです。群生している様子はあたかも天上界を思わせるのか…な?
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