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旅日記・ジパング見聞録9 ~ 閻魔堂(松本市餌差町) 2023.7.15
7月16日は閻魔賽日(えんまさいじつ)。
正月16日とお盆の16日は、閻魔様の縁日です(本来はどちらも旧暦の1月16日と7月16日なのですが、現在は新暦で行事を行うことが多いようです)。
この旧暦1月16日と7月16日は、「地獄の釜の蓋が開く」日ともいわれ、地獄で罪人を責める鬼たちも“仕事”をお休みする日なのだとか…
さて、閻魔様は閻魔大王といい、みなさんもご存じのように、私たちの生前の罪を裁き、死後どこの世界に生まれるのかその行き先を判定する、冥界における裁判官のような役割をされています。
もともとはヤマラージャというインド由来の神様ですが、中国から日本に伝わってくる過程で、中国の官吏のお姿になられました。
生きている間はあまりご縁のない閻魔様ですが、縁日が巡ってきたのですからこの機会に閻魔様とのご縁をもって、日頃の生活を見直す機会にしてもいいのではないかと…
そうはいっても…閻魔様、どこにいらっしゃるの?
安曇野・松本地方にお住まいの方にとって最寄り⁈の閻魔様は、松本市は餌差町(えさしまち)、御住所は松本市大手5-5-31(こう書くとなんだか現世的ですが😅)にいらっしゃいます。
イオンモールからは女鳥羽川の対岸に、放光庵というお堂があるのですが、その右側が閻魔堂になっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1689407874220-SS8oFZClrb.jpg?width=1200)
写真を見て分かるように、街中なのでマンションと駐車場、そしてお墓に囲まれていて、松本の旧市街地らしく一方通行の多い地区の一角にあります。
放光庵の本尊様はお地蔵様で、お堂の中央にお祀りされています。
![](https://assets.st-note.com/img/1689407892723-ONHDXYmxDu.jpg?width=1200)
その横には涅槃図も立てかけられていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1689407903504-QSmP8IHrLD.jpg)
さて、お堂に向かって右側、「閻魔堂」の扁額の下の“窓”から、閻魔大王はじめ十王や奪衣婆・懸衣翁を拝観することができます。
![](https://assets.st-note.com/img/1689407917196-bsz9pURbN6.jpg?width=1200)
こちら餌差町の閻魔大王は、松本市の重要文化財に指定されている貴重なもの。
座高は110cm、江戸時代の作とみられます。
![](https://assets.st-note.com/img/1689407933632-DTw0alUZru.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1689408078312-i2zG8FXzrT.jpg)
この辺りは松本城周辺の散策コースにもなっているようで、閻魔大王や十王については、国宝松本城の公式サイトにこんな説明がありました。
十王というのは、人が生きていたときに良いことをしたか悪いことをしたかを裁判する役目をもっていると信じられていました。閻魔大王はその中心で、いわば裁判長です。死んだ人が閻魔大王の前でいろいろ聞かれます。そして、その内容によって極楽にいけるか地獄に落ちるかが決まりました。ですから、人々から大変恐れられ敬われました。
昔の子どもたちは、大人たちから「嘘をつくと、閻魔大王に舌を抜かれるぞ」と言われました。閻魔大王に舌を抜かれては大変だ、嘘を言わないようにしよう心に誓ったものです。
https://www.matsumoto-castle.jp/town/walk/east
「嘘をつくと、あの世に行ってから閻魔大王に舌を抜かれる…」
わたしも子供の頃聞いたことがありますが、みなさんはどうですか。
さて、相田みつをの詩に次のようなものがあります。
うそをいうと
あの世に行ってから
閻魔さまに
舌を抜かれる
といわれる
わたしは何枚の
舌を持ってゆけば
いいのか
『雨の日には…』所収
できるだけ、少なくて済むように、人生を送りたいものですネ。
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