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気づきのことば ~ 人生は、何の積み重ね?  2023.11.18

先日、数年ぶりでお伺いした葬儀ホールの寺院控室にこんなカレンダーがかかっていました。
 


 
 
ホールの方に尋ねると、「みなさん、このカレンダーいいですね、とおっしゃって下さいます」とのこと。
 
微妙に上下のバランスがちょっと?というか、日付の下がなんとなく“無い”感じがしますが、どちらか、出入りの業者さんからいただいたカレンダーなのでしょうか。
 
葬儀が終わって控室に戻り、ホッと一息ついたところで目にとまりました。
 
落ち葉舞う秋の公園、ネコたちが鉄棒で遊んでいます。
 
ぶら下がったり、まわったり…
 
「いいの いいの あせらずに ゆっくり 行きましょう」
 
ネコたちの鳴き声なのか、ネコたちを見ている人の思いなのか、はたまた天の啓示か⁈
 
ふと気になって、写真を拡大してみると… 
 
 絵の右下に小さく Kabamaru©Hajime Okamoto
 
作者は岡本肇(おかもと はじめ)さん?


 
1942年のお生まれだそうですから、齢(よわい)81歳。
 
この猫は「Kabamaru」というキャラクターで、1998年デビュー(今年25才)。
 
作者曰く
 
せかせかした人間社会をのんびり暮らす猫の様子で描いてみようと思いました。
 (中略)
猫を擬人化するのではなく、人を「擬猫化」していくことで、猫と人との境界が曖昧になっていく。そうすると、人の言葉も猫を通して穏やかに柔らかく、ほんわかとなって馴染みやすくなるのです。

 
 
では、先ほどのカレンダーのことば、
 
「いいの いいの あせらずに ゆっくり 行きましょう」
 
は、どこから来たの?
 
 
作品を描くときは言葉から考えることが多く、まず最初に表現したいことを自分の人生感の中で消化させ、その後、猫の言葉で伝えるために何度も何度も心の中で言葉を繰り返すようにしています。その言葉が自分の心にちゃんと響いたときに初めてKabamaruに語らすことが出来ます。
 
作者の思いを猫たちが語っていたのですね。
 

「力が抜けるカレンダーでいいですね」とは、このカレンダーを見た方の感想ですが…
 
Kabamaruのユーモラスな表情やしぐさとあいまって、ようやく一枚の絵が完成する。
(中略)
その甲斐あって、多くの方から「言葉に癒されました」「元気になりました」などのお声を頂戴しています。
個々の立場や状況で、その時々に心に響く言葉は違いますがKabamaruとの出会いが、元気と笑顔に繋がりますよう願っております。

 
 
そんな思いで描いていらっしゃったのですね。
 
さて、
 
あせ(焦)るは、こ(焦)げる、とも。
 
火と、音符雥(サフ)→(セウ)(隹は省略形)とから成る。火で物が「こげる」意を表す。 …「角川新字源」
 
あせっている時は、イライラしていて、まるで心が焦げている様。
 
似たような言葉に、「慌てる」がありますが、「忄」りっしんべん(心)+「荒」なので、慌てている時は、心が荒れている?
 
「忙しい」も、「忄」りっしんべん(心)+「亡」なので、忙しいときは心が亡い=心ここにあらず…なので、忘れ物をしたりするのかな(忘=亡+心)。
 
みなさんも、日々やることがたくさんあって、忙しい…ですか。
 
ついつい焦って、慌ててしまいますが、よく考えたら人生はこの日この時、毎日の積み重ね。
 
どうせなら心ここにあらずより、「いま、ここ」を意識して過ごしたいものです(自戒を込めて)。


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