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「グリーンブック」名作映画vol.1

○あらすじ
1950年代のアメリカ。イタリア系移民のニックは、黒人のピアニスト、ドクの運転手としてクリスマスまでの8週間、ツアーに同伴することになる。ツアーの行き先は、アメリカ中南部。時代は、黒人差別が根強く残る20世紀半ば。ピアニストとして成功を収めつつも、ドクに容赦のない差別が向けられる。ニック自身も当初は、黒人に偏見を持っていたが、運転手として仕事をしていく中で次第に変化していく。

○ポイント
実話を元にした話であり、20世紀半ばの人種差別の実態を感じる作品。差別を差別と感じずに、行動しているある種の「空気」が鮮明に描かれる。このような社会背景の描写が一つのエッセンス。

他にも、ドク、ニック、それぞれのツアーを通じた心情の変化も印象的。

ドクは、教養深く、礼儀正しく、慎ましくそれを心情に生きている。差別を受けても激しく怒るのではなく耐える。ただその裏には、自分は、黒人だが、ハイクラスであり、真に黒人社会にも溶け込めていないという疎外感があった。ニックと接するうちに、彼との間に人種を超えた友情が生まれ、感情豊かになっていく。

ニック自身も、ドクの生き方に触れ、彼への強いリスペクトを抱くようになる。

○感想
1番印象的だったのは、作品最後の「木枯らしのエチュード」。四月は君の嘘で、えみが有馬にぶつけた曲。自分の中にある感情全てを発露するそういう曲。ドクの生き方、時代への苛立ち、作品の全てがあの曲の演奏シーンに込められているような気がした。

色々思うところはあるが、以下2点がメインか
1.プロとして生きるということ
2.ニックの素直さ

1.プロとして生きるということ
逆境の時代の中でも、ピアノというスキルで、自らを立てていく。自分のスキルをとことんまで高め続けていくそういうスタンスの大切さ。様々な選択肢がある現代社会、ともすると何も考えなくても生きていける。そこそこの会社にいれば、困ることはない。ただそうやって人生にキャップをするのではなく、プロフェッショナルとして自分のスキルをとことんまで高めていくそういう生き方をしたい。自分の生き方、感情全てを仕事で表現する、そういう仕事の仕方に!そういう意味でコンサルタントは、受け身ではあるが、表現者としての余地もあるのではないだろうか。

2.ニックの素直さ
喜怒哀楽は激しいが、人思いの性格。良いものは良いと言い、悪いものには純粋に怒れる。そういうピュアな心根を持ち続けるのは大切だ

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