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「ビジネスの未来」雑感

本の紹介

山口周氏の作品。
現状認識→あるべき社会像の提示→やるべきことという綺麗な論旨展開で読んでて気持ち良い。ファクトとフレームワークがうまく使われていて、頭が整理されていく感覚。
評価:☆☆☆☆☆

ざっくりまとめ

経済成長前提社会から低成長社会へと向かっている。そのような社会変化を正しく捉えて、システム、価値観のアップデートが必要である。高度経済成長時代は、今我慢すればさきで良いことがあると言う価値観。そして実際に社会はそのように動いた。頑張って働けば、給料はどんどん上がり、良い生活が送れた。しかし、今は低成長かつ不確実、今の我慢が先の成功につながる確率が少なくなってきた。であるならば、今を最適化し、活動的な生き方をしていくべし。ここでいう今を最適化というのは、より人間性を重視した、アレントでいう活動的な生活。遊びと労働が一体化し、やりたいことをやる生き方。しかし、社会はいまだに我慢をしいる制度、価値観となっているがそのシステムは機能不全を起こしている。制度と価値観のアップデートが必要である。

所感

経済成長社会→低成長社会の大きな転換点にあるというのは極めて納得。親や祖父母の時代の価値観と今の価値観の違いは明確に存在する。そこにコンサマトリーというキーワードを持ってきている。個人的にはこれと、枢軸時代の価値観の比較があるとよいとおもった。二コマコス倫理学、論語などの低成長時代にかたちづくられた価値観が今の指針になるはずだと思う。ファクトとフレームワークを使いこなしてここまでの論説を展開できる人間になるのが理想。そのためには分析だけでなく、そろそろ自分のスタンスをどう持つかというのも課題になってくると思う(あと5年くらいは先かな?)
パーソナル哲学を持つというのもだいじなことだ。

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