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【調査してみた】ジロリアン歴8年の僕がラーメン二郎の人気をSNSから解き明かす

ラーメン二郎って知ってる?

こんにちは。株式会社CINC(シンク)の仲野です。
今回は、僕がこの世で一番好きな食べ物、いやこの世で一番好きなもの、
ラーメン二郎の人気の秘密をSNS視点で解剖したいと思います。

ラーメン二郎について、少しでも興味のある方はお付き合いください。

ちなみに、現存する全国のラーメン二郎(40数店舗)にはすべて訪麺し、津々浦々二郎を食べ歩きました。なんとか、魅力を知ってほしい。そんな思いで、勝手にエバンジェリスト的活動をしていたりします。

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ラーメン二郎とは何か?

まずご存じない方のために、かんたんに二郎について説明を。
ラーメン二郎は、ウィキペディアによると、以下のとおりです。

ラーメン二郎(ラーメンじろう)は、東京都港区三田に本店を構えるラーメン店、および同本店の店主・創業者である山田拓美(慶應義塾特選塾員)の登録商標[1][注釈 1]。1968年(昭和43年)に創業。1970年代には慶應義塾大学三田キャンパスのある東南の角に当たる交差点脇での営業を開始。1996年(平成8年)に三田キャンパスの西南に移転した。「ラーメン二郎 三田本店」の名称で営業する[2][3]。なお、ここでは関連性のあるラーメン二郎と名乗るのれん分けの店についても述べる。

はい、もうこの時点で察してます。たぶんこれ見せちゃうのが一番手っ取り早い。

SNSが浸透しきったこのご時世、一度や二度はタイムライン上で見たことある方も多いのではないでしょうか。

ラーメン二郎を説明する上で、僕なりにポイントを絞ってみました。
写真は見たことあるけど、何がそんなに良いワケ?!と思ってる人へ。

①破壊力抜群のビジュアル
丼たっぷりまで注がれたスープに、豪快な豚、ヤサイ、麺・・・。
一部のSNSユーザーからは、「豚のエサ」と揶揄されることもしばしば。

②悪魔的な中毒性
一度食べたことのある人なら、わかってくれるはず。
ラーメン二郎には、マクドナルドやタピオカ、かっぱえびせんを遥かに凌ぐ中毒性があります。

一般に、初心者の方を連れて行くときには、
「お願いだから3回は食べて!抜け出せなくなるから!!ニヤ」と伝えることが多いです。1回目はその魅力に気づかずとも、何度か食べるうちに勝手にハマっていくシステムがあるのです。

③希少性/限定性
ラーメン二郎は、いわゆるフランチャイズではなく、店舗ごとの独立採算制をしいている"のれん分け"のラーメン店です。

そのため、基本的な作り方やルールは似ているものの、店舗ごとに味や見た目、スタイルが異なり、同じ店舗でも時間帯によってスープが変わるなど、「世界に一つだけのラーメン」が食べられるテーマパークとなっております。

その上、各店舗ごとの店主、助手に特徴があり、ジロリアンは皆ラーメンを食べに行っているように見えて、実は店主に会いに行っているのです(嘘)

④せまい、きたない、くさい、ウマい
とんねるずのきたなシュランを思い浮かべる人もいるでしょう。
二郎の店舗はそのほとんどが上記の条件を満たしており、
潔癖症の人や女性客には嫌がられることが多いです。

しかし、せまくてきたなくてくさいなかで食べるラーメンの美味しさに、まだ気づけていないだけ。騙されたと思っていってみてください。

⑤ジロリアンというコミュニティ
ラーメン二郎の熱狂的ファンのことを、総称して「ジロリアン」と呼ぶことがあります。
個人的には、この話の結論にも近しい内容を最初に言ってしまいますが、
このジロリアンというコミュニティこそが、二郎の人気を下支えしているものだと考えています。

そして、勘違いしてほしくないのは、ジロリアンは自分の意思でなるものではなく、勝手になってしまうもの。まるでアメーバのように増殖してしまうものだと言うことです。

なぜ、こうも話題になるのか?

「ラーメン二郎」をGoogleトレンドで検索してみると、2004年以降、じわじわと右肩上がりに検索需要が増加していることがわかります。

たかがラーメン、されどラーメン。
世の中には食べログの百名店に掲載されるような名店や、フランチャイズとして数多くの店舗をもつチェーンのラーメン店があるなかで、なぜこうも人気を博し、人々の心を掴むのでしょうか。

その理由について、あくまで主観ではありますが、ジロリアン歴8年の僕がちょっと考えてみます。

人気の秘訣3つ

①ターゲットとの相性
二郎はもともと、慶應義塾大学の付近にて開業したことや、山田総帥(創業者)の温かい人間味もあって、学生に支持されてきました。

安い金額で、お腹の減った学生たちに、腹いっぱい食べてほしい。

そんな優しい店主の思いに共感、共鳴する学生たちから絶大な支持を集めて、徐々に人気になっていきました。

当然大学生ですから、学内の友人同士で口コミがまたたく間に広がり、
いつの間にか二郎の前にはお腹をすかせた体育学生が行列を成していた、というわけです。

僕自身も二郎との出会いは2012年、ちょうど大学1年生だったので、
お金がない学生にとっては本当にありがたいお店でした。

②呪文と呼ばれるコールシステム
個人的には、「呪文」という言葉を使いたくないのですが、おそらくこのほうがわかりやすいので、書いています。

要するに、ラーメン二郎特有の注文方法のことです。

「ヤサイニンニクアブラカラメ!」

のように、お客さんは自分が注文したラーメンに対して、以下のように
お好みでカスタマイズできるようになっています。

ヤサイ  :キャベツともやしの量を指定
ニンニク :刻みニンニクを入れるかどうかを指定
アブラ  :背脂を追加で入れるかを指定
カラメ  :二郎専用の醤油ダレを増量するかを指定

横浜家系ラーメンの、「固さ、味の濃さ、油の量」を指定するのと要領は同じです。

このコールシステムが、二郎を話題化させ、メディアに取り上げられたり、SNSで口コミを発生させる一助となっています。

自分の思いのままにカスタマイズできる点でいえば、スタバのコーヒーやタピオカ、一蘭の注文とも似ているところがありますね。

③SNSとの相性
ついついたくさん書いてしまうのですが、ここからが重要な部分です。
ここではSNSのなかでも特にTwitterに主眼をおいています。

まずSNSの話に入る前に、Google検索におけるラーメン二郎に関するニーズを見てみました。

keywordmapにて調査

赤枠で囲っているような、いかにも!なキーワードが、関連検索として出てきます。

検索のニーズをもう少し細かく見ていくと、これまで説明してきたような検索キーワードが出てきます。特に「呪文」や「ルール」、「ツイッター」に関しては、初心者の方が二郎に行く時に、事前にルールを勉強しておこう、だったり、呪文をきたるべきタイミングでいえるように、マナーを理解していこう、といったニーズが伺えます。

さらにこちら。
臨時休業が多い二郎ならではの「営業時間」や「コール(呪文のこと)」、
「ロット」などがあります。

まとめると、初心者でもおいしく食べられるように、という意図が伺える検索が多いことがわかりました。

長くなってしまうので、SNSについては次の見出しで。

ラーメン二郎がTwitterと相性が良い理由

絞りたいのですがごめんなさい。6つあります。

①140文字
これはかなり玄人目線のコメントになってしまいますが、二郎を食べたらどうしてもシェアしたくなってしまうもの。
そんな時、140文字という制限は、ちょうどよい文字数だということがわかります。

・食べた店舗
・注文したメニューとコール(呪文)
・レビュー、感想

これらをテキストでまとめると、おおよそ140文字程度におさまりやすいというわけです。

(例)

②画像の投稿
いくらTwitterだからといって、テキストだけではせっかくの二郎のインパクトが伝わりません。食べたもの、それも自身がカスタマイズした世界に一つだけの二郎なんだから、当然写真は載せますよね。

イギリスの登山家、ジョージ・マロリーは言いました。

「なぜ、あなたはエベレストに登りたいのか?」
『そこにエベレストがあるから(Because it's there. )』

言い換えると、

「なぜ、あなたは二郎を食べるのか?」
『そこに二郎(山)があるから』

ということになります。(ならない)

③リアルタイム性
前提として、二郎は行列ができることが当たり前、そして通常は営業時間内のはずなのに、スープ切れや麺切れで閉店してしまったり、臨時休業してしまうことが少なくありません。

さらに、その日だけの限定メニューが突然リリースされたりもします。
我々ジロリアンは、そういったリアルタイムに変わる情報をすばやくキャッチしなければいけません。

その点、Twitterというプラットフォームは二郎のためにつくられたのかと思うほど、便利なものです。

④拡散性
もはや説明不要ですが、Twitterのリツイート機能によって今日も全国のジロリアンが活動されている様子が伺えます。

まだ二郎がそこまで知名度を持っていなかった頃は、ラーメン好きだけでなく一般ユーザーが面白がって拡散していたこともあったと聞きます。

拡散は、SNSのなかでもTwitterに代表されるひとつの特徴なので、
UGCの発生や認知を生む際に必要不可欠なものになってきています。

以下、「ラーメン二郎」を含む投稿でで2020年5月2日〜6月2日でRTが多かったツイート抜粋。

⑤相互に生まれるエンゲージメント(いいね)
ユーザーがつくりあげるジロリアンという世界観は、
お互いがお互いを尊重しあい、時には臨時休業でフラれた人を励ますような、素敵なコミュニティがあります。

別にあなたのことを知らないけれど、二郎だけで繋がれている、そんな気持ちになるのです。

#ラーメン二郎好きな人と繋がりたい


⑥待ち時間
あえて書きました。
二郎を食べるには、ほとんどの店舗で行列に並ぶことを余儀なくされます。
「並ばざる者、食べるべからず」

待ち時間は、読書や友人との談笑をしていることが多いのですが、
やはりスマホを見る時間が長くなってしまうもの。
その意味で、やはりSNSと二郎は相性がよく、並んでいる店舗で食べた人のレビューを見ながら今か今かと自分の番を待つのです。

何が言いたいかというと、Twitterで情報収集し、Twitterで発信し、交流し、コミュニティを形成していくということです。

何を考えながら並んでいるか?それはこちらを見てみてください。
実際に二郎関連でツイートされている内容を、キーワード軸で可視化しています。

keywordmap SNSより

4Pで二郎を見てみる

長くなってきたので、思いっきり端折ります。

■プロダクト
前述した内容です。
ほかのラーメンとの圧倒的な差別化。「二郎はラーメンではなく二郎という食べ物だ」と言わしめるほどのインパクト。

■プライス
目黒店では、いまだに小ラーメンが500円で食べられる。
創業者の想いを継いでいる店舗です。
学生でも余裕で手が届くというところですね。

■プレイス
大学が多いエリアに出店している傾向があります。
(例)三田、八王子、池袋、上野毛、神田神保町、桜台、立川
 ※かつては高田馬場にも

■プロモーション
していません。
店舗前に並ぶ行列が、広告です。
あとはもう、SNSにアップされているUGCが、そのままプロモ効果になっていますね。

SNSで生まれるUGCが、リアルでの人気に直結する

もちろんそうでない商材やサービスもあるのでしょうが、二郎はUGCと人気が直結する良い例かなと思いました。

ホットリンク社が提唱するULSSASという考え方がありますが、
それに加えて二郎の場合には、Googleが提唱するパルス型消費もとても関係しているように思います。

食べたくなったら止まらない、その一瞬で行動が決まる感覚。
二郎の話をしたあとには、自然と足が向いているというやつです。

(U)UGC   :Twitterに生まれる数多くの口コミ
(L)いいね  :ジロリアンをはじめユーザーからのエンゲージメント
(S)SNS検索 :Twitter内で検索 「目黒 二郎」や「二郎 日曜」
(S)Google検索:「ラーメン二郎 品川店」「松戸 二郎 営業時間」
(A)訪問   :頭をよぎったら即行動!パルス!
(S)拡散   :ふう、おなかいっぱい。ツイートしよ。

※画像は前述のリンク先より引用させていただきました

まとめ

まだまだ書きたいことがありすぎる。
今回はここまでにします。

長々説明してきましたが、以下3点、今後のヒントになりそうです。

✔ UGCの全貌を明らかにすることでサービス理解が深まる
✔ UGCを増やす施策を考える上でTwitter内の細かなデータ分析が必須になる
✔ Twitter運用は、フォロワーを増やすのではなく関係値を構築する

ありがとうございました。

あ、ニンニクはガン予防にも効くみたいですよ。

おまけ🍜



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