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中南海 中国要人の住まい

中国は着々と力をつけ、いまや新冷戦は米中が主役となった感がある。

メディアによって中国要人の動静はときおり人民大会堂での演説の形で伝えられるが、ふだん彼らはどこで暮らしているのだろう?

少し古いようだが、上の写真の右手にある正方形の堀に囲まれた地域が紫禁城であり、その左手にある三つの人工池のうち、中湖・南海周辺がその居住区域である。

国会にあたる人民大会堂は紫禁城天安門の前面にあるので、職住接近というわけだ。

グーグル写真で見ると、中南海地区には中国伝統の住居様式である四合院が密集していて、習近平はじめ10人ほどの実力者たちも、そのひとつひとつに住まっているのだろうか。

20年ほど前のことだが、1週間の北京滞在の宿は紫禁城北側の鼓楼周辺にとった。北京の繁華街は紫禁城南部にあって、そこまで地下鉄かバスで出かけるのである。

歩けない距離でもないので、ある夜、中南海の西側を通って帰ることを思い立った。

歩道は広いにも関わらず、人通りもなく照明も乏しいので少し不安に感じたが、右手に中南海との間を区切る長い塀をみながら、どんどん歩いて行った。

ほぼ真ん中のあたりに中南海への小さな門があるらしいのだが、そこを通り過ぎるときに異様なものを見てしまった。

真っ暗な中に二人の若い衛兵が、交通整理が使うようなお立ち台の上で直立不動の姿勢で立っていたのである。

禁じられているわけでもないようだが、どうやら用もないのに近づいてはいけない場所のようだった。


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