不透明な市場環境で冷静さを取り戻すために
「休むも相場」という言葉があります。これは、相場の先行きが不透明な場合や、形勢が不利なときに、保有ポジションを手仕舞い、次の好機が来るまで様子見をすることを意味します。(大和証券HPより)
現在のアメリカ市場は、まさにこの言葉が当てはまる状況と言えるでしょう。夏休み相場の中でダラダラと下落する展開が続いており、様々なテーマに不透明感が漂っています。
第一に、AI相場を牽引してきたNVIDIAをはじめとする半導体株が7月に入り勢いを失っています。AI相場の持続可能性は、Microsoft、Meta、Google、Amazonといった企業が今後も半導体への設備投資を継続するか、クラウドの売上高は力強く伸びているかなどが重要な確認ポイントになりますが、その見通しはまだ不透明です。
第二に、バイデン大統領が次期大統領選への不出馬を表明したことで、トランプ氏の優勢が揺らぎ、カマラ・ハリス副大統領との間で接戦となっています。大統領選の行方は混沌としており、市場に影響を与える可能性があります。
第三に、金融政策についても不透明感が残ります。市場は年内の3回の利下げを織り込んでいますが、FRBの意向との間にギャップがあるように見受けられます。このギャップをどう埋めるのか、具体的な道筋はまだ見えていません。また、ハードランディングのシナリオも考慮する必要が出てきており、単純に利下げだから株が買える状況ではなくなりつつあります。
このような状況下では、ポジションを保有していると、ポジションの株価の動きに自分の思考も影響されてしまいます。一度保有ポジションを手仕舞い、客観的な視点を取り戻し、相場がどちらの方向に向かおうとしているのかを見極める時間を設けることも重要と思います。
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