夏の日差しに照らされず

8月11日9時20分

気温は32℃

エアコンから吹き出る心地よい風に当たりながら、
自室でネットサーフィンを嗜んでいた。

猛烈にトイレに行きたくなった。とてつもない尿意。

これほどの尿意を感じたのは何回目だろう。

即座にネットサーフィンをしていた手を止め、
リビングを過ぎた先のトイレへ駆け込もうとした。

リビングは、蒸し暑く、夏を感じた。

腰痛で苦しむ腰を落とし、便座に腰を掛けた。

危機を脱し、肘を腿につけ、目線を落とし一息ついた。


目線の先の黒のボクサーパンツ


目の前のボクサーパンツの帯には『BOXER』と表示されている。


今までは気にも留めなかった『BOXER』の文字


明日には、数分後には忘れているかもしれない。

今ボクサーパンツに『BOXER』と書かれている事実を知った。

ボクサーパンツに『BOXER』となぜ表示したのだろう。

別に変だとかそういうこともない。ありきたりで何の変哲もない。

ただ排泄行為をしている最中視界に広がる『BOXER』は
何かを自分に訴えかけている気がした。

どうにも説明できない感情が目の前の『BOXER』の文字と一緒に
頭の中を駆け巡る。

でもこの一瞬を、いつもは感じえないこの気持ちを
忘れたくはなかった。


そのことを想いながら、レバーに手をかけ全てを水に流した。



普段気にしない『無意識』な部分を意識し、気になったことを日々追求していきます。