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バモスの取説

ビビリ犬バモス

我が家の愛犬バモス。2019年1月に犬猫を行政の依頼で引き取って保護し里親を探す活動をしているボランティア団体「わんぱーく」から譲渡してもらった元保護犬です。2017年6月生まれなので、この記事を書く時点で、ほぼ2際。いま青年犬として元気な盛りなのではないでしょうか。だけどこのバモス、根っからのビビリ犬でシェルターにいた頃は、シェルターの施設内では元気に走り回っていたはずが、いざ散歩の時間に連れ出すと、外の世界が怖いのか、慣れたボランティアさんとでも途中で立ち止まり、前に進まなくなってしまう。なだめて気分をもりあげてやっと進んでも何歩か進むとまた立ち止まって動かなくなってしまうのでした。逆に散歩の帰り道では、一刻も早く自分の住処に戻ろうと、全力でグイグイ引っ張って一目散に逃げ帰る、そんなワンコでした。

ビビリはやっぱりビビリ

今では、ボクとの散歩でいつもの道ならかなり慣れたものの、やっぱり根っからのビビリなので、立ち止まることもありますし、人とのすれ違いもすんなりすれ違ってとはいきません。道の脇に避けて身を低くしてやり過ごすのは上出来で(知らない人にはとても躾が行き届いて見えるようです!)、2〜3人グループが前から歩いてきた時は、くるりと向きを変えて逃げ出そうとしますし、すれ違う人が連れている犬には鼻にシワを寄せて歯を出したり、時には唸ってみたりと拒否反応を顕に。バモさんよ、もともと鼻黒のコワモテ犬なんだから、ビビり犬に慣れない人には、怖いワンコにしかみえないよ。

ビビリ犬人と会う

初めての人に会うのもやっぱり苦手で、ビビるあまりシッコやウンチを粗相してしまうこともしょっちゅうです。
その時のその場の状況ときたら

・バモス:腰が抜けて漏らしながらその場を逃げ出したい
・ボク:粗相を片付けながらその場を汚してしまって申し訳ない
・相手の人:自分が怖がらせてしまったことが申し訳ない

という三方悪し、三すくみの状況(汗)気まずいったらありゃしません。
じゃあ、そういう場所に連れて行かなければいいじゃないの。それはそうなのですが、バモスは「人」そのものを嫌っているわけではありません。むしろ「人」は好きだと思います。また、ボクとしてはバモスに一人でも多くの人に愛される犬生をおくらせてあげたいと思っています。そして、そういう場に連れて行くことで「慣れ」て克服できることは、克服しておいたほうが長い目で見た場合には、バモスのストレスが少ないんじゃないかと思っています。
とはいえ、負担はかけすぎないようにしていきたいし、どこでもケロッと大丈夫、ということには絶対ならないと思いますけど。
もしその場が、バモスを連れて行って良い場所で、ボクが周囲の人にできるだけ不快感や迷惑を与えないよう準備をした上で、少しだけ理解をいただけるなら、バモスを色んな場所に連れて行けたらいいなと思っています。

もしビビリ犬に出会ったら

もしこれを読まれているビビリ犬耐性のない方が、バモスのようなビビリ犬に出会ったら。まず、その犬がビビっているのは、あなたのせいではありません。それがその子の普通の反応なので申し訳なく思う必要はありません。むしろあたふたしているその子と一緒に、人もあたふたしてしまうと一層その子を怖がらせてしまうことになるかもしれません。気を落ち着けて「そうなのねぇ」くらいに受け止めていただけるほうが、ビビリ犬もその飼い主にもありがたいです。
そしてもしあなたが、もう少しそのビビリ犬と仲良くなりたいと思ったら

1)まず、飼い主さんに近づいても大丈夫か聞きましょう。どうしてもダメな子もいます。犬が唸ったり鼻にシワを寄せたりしたら、近づかないで〜!のサインなので諦めましょう。
2)犬に正面から目を合わせて距離を詰めてはいけません。興味ないふりして目をあわせないようにします。
3)急は動きはビビリ度高し。ゆっくりとソロリソロリと、その子の斜め前から横あたりに行ってしゃがみましょう。
4)やはり目をあわせてはいけません。見るなら犬の胸あたり。しばらくそのまま落ち着いて様子をうかがって、犬が落ち着くのを待ちましょう。
5)犬が落ち着いたら、手を軽く握ってゆっくり下の方から手をのばし、犬にこぶしの匂いを嗅がせてみましょう。
6)ここまで大丈夫そうならゆっくりと手を開いて、犬の首元や背中に触れてみましょう。大丈夫そうならゆっくり優しく撫でてあげましょう。
7)ビビリ犬はすぐに馴れるわけではありません。今日撫でれても明日は撫でれないかもしれません。でもそれもその子の普通なので「そうなのねぇ」くらいに思ってもらえるとありがたいです。

ビビリ犬であること

ビビリ犬であることは、もちろん病気でもないですし、見た目かわいそうにみえるかもしれませんが、その子の生まれもっての気性なだけで、ぜんぜんそんなことはありません。その子の「個性」の一つです。ビビリ犬であるために周囲に気を使わせてしまったり、周囲の人や場合によっては飼い主さんにも、馴れるまで普通以上に時間がかかるなど、マイナスのこともあるかもしれませんが、実際一緒に暮らしてみて「馴れ」のハードルを超えたときには、普通以上の愛着を感じることができるのではないかと思います。ボクはバモスがビビリ犬であることは、ボクとバモスがいっしょに成長していくために、絆を深める材料として犬の神様がバモスにくれた「ギフト」なんじゃないかと思っています。

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