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スタバのサイズはちゃんと言おうと思った話

2024/04/06

私はカフェが好きなのだが、主にタバコが吸えないのと、あの薄暗いオシャレな雰囲気がなんとなく自分の身の丈に合ってない気がしてあまりスタバに行かない。
けど、本当にたまーに知らない駅なんかでカフェを探していると近くにスタバしかないことがある。

先日も丁度、仕事の都合で知らない駅に降りた時に目の前にスタバがあったので、時間潰しに入ることにした。
久々に入ってみると、いる人も結構オシャレだし、カウンターの上に置いてあるメニューなんかはもはや呪文のように見えてくる。
ただ、基本的にどのカフェに行ってもコーヒー以外は頼まないのでオシャレな人専用の魔導書は見ずに「アイスコーヒーで。」と注文をした。

問題が起きたのはその後で、私が注文した瞬間、カウンターの向こう側の爽やかな店員さんが「コールドブリューコーヒーで大丈夫ですか?」と言うわけだ。

コ、コールド...なんて?

まあ、わからんけどとりあえずソレでいいやと思い、「はい」と答える。
すると、追い討ちをかけるように「サイズはいかがいたしましょうか?」と聞かれる。
スタバのサイズには、ショート、トール、グランデ、ヴェンティ...の4種類あるらしいのだが、行き慣れていない私がそんなことを覚えてるはずもなく、すかさず「真ん中のサイズで。」と答えてしまった。

なんとなく良くないと思うのが、通常ならばなんのサイズがあるかしっかり見たり、店員さんに聞いたりするものだが、オシャレな店だと“なんか詰まってるのが無性にダサい”と思えてしまって気恥ずかしさを感じてしまう。
だーれも、そんなことは気にしてないのに。

そんなわけで、サイズを答える時に瞬時に「真ん中のサイズで」と答えてしまう、ちんぷんかんぷんな人間ができあがるのだ。
ただ、先述したようにスタバにはサイズが4種類あるため、真ん中には2つ該当してしまうことになる。
するとあんだけ爽やかだった店員さんの顔が少し歪んで(正確には歪んだように見えて)、「トールサイズでよろしかったでしょうか?」と聞かれるのだ。
あくまでも詰まっていることを悟られたくない私は(おそらくこの時点ですでに手遅れだが)、また「はい」と短く返した。

コーヒーを受け取って、腰を下ろすころには、面倒な上司にちょっと詰められたような疲労感を覚えた。
そうなると、ゆったりしたいからカフェに入ったのになんだこのストレスは...と思えてきて、そもそもなんでサイズ表記がS、M、Lじゃないんだよとか、コールドなんちゃらってなんやねんと腹が立った。

ただこうしたことを考えてると、焼肉屋で働いていたころが思い出される。
私自身、アルバイトをしていた時に〆の冷麺を頼まれることがあって、その際に必ずフルサイズかハーフサイズかを尋ねていた。
焼肉屋の場合、食後のお腹いっぱいの状態で〆を食べることや複数人でシェアすることが前提にあるため、ちゃんと確認しないと思ったよりも多かったり少なかったりすることが多々ある。

それを尋ねると、「フルってどれくらいですか?」とか「2人で分けるならフルですかね?」とか聞かれて、それに合わせて「これくらいの器に入ってます」とか「結構お腹いっぱいならハーフでも足りると思います」とか答えていた。
そうするとほとんどの人は、「じゃあハーフで!」とか「フルにします」とか言ってくれるのだが、中には「じゃあ、普通で」という人がいた。

まあ、普通と言えばフルだと思うんだけどさ、一人分で考えるハーフが普通なわけで...こうなると私も貼り付けていた笑顔を少し歪ませて「では、フルでよろしかったでしょうか?」なんて確認するのだ。
ハーフかフルで聞いてんだから、どっちかで答えろよ!と。

だから、考えてみるとスタバで「真ん中のサイズで」と答えた私は、私がイラついていた人と同じことをしていることになる。

なんか、こういう視点とか立場が変わると見えてたものが見えなくなることっていっぱいあるんだろうーなと思う。
気をつけなくちゃ。

ひとまず、この間接客をしてくれた爽やかなスタバの店員さん、本当にごめんなさい。

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