「悩み続けたい」について

ゲームさんぽの本を読み進めている。

この本の精神科医の名越先生の章で、名越先生が研修医の時に精神科医の道を選択した時にことについて、「ずっと何かを考え続けたい、悩みを終わりたくない。だからあんまり向いていないかなと思う精神科に決めました」と語る場面があり、少なからず衝撃を受けた。

悩みなんてない方が毎日スッキリ眠れるし、ふと隙間があいた時間にそのことに頭の中が汚染されていくような感覚も凄く苦しい。だから、それを終わりたくないという感覚にまずびっくりした。

加えて、向いていないと思った選択肢、つまり効率的ではない選択をすることができるというのもすごいなと思った。この選択をされたのは、向いていることをすると楽しすぎてあっという間に年月が過ぎてしまう、そんな状態では何かを考え続けたり、悩んでいる暇さえなくなってしまう、そんな生き方は嫌だという10年、20年先まで見た選択だったのだろうとは思うが、目の前にある楽しさに飛び付かず自分の人生のテーマのようなものを軸に判断できている方なんだなあと思った。

自分の今までの選択はどうだったんだろう? 

会社を辞めてフリーランスになると決めた時は、正直選択したというよりも会社を強引に辞めてしまった状況で選択可能なことが少なく、なし崩し的に選んだという感じだった。結果的には、それによってストレスが軽減したし、仕事以外の時間の使い方が劇的に改善したのでよかったとは思うのだけど、とても自分の人生のテーマを軸に選択したとは言えない。

最近、これまでエンジニアとしてやってきた仕事を一段楽させて、マネージメントや営業的な側面が強い役割を担う仕事に就くことを決心した。今までの仕事とは違うことも多くストレスを感じるし、これが自分に向いているのかどうかもまだわからないけれど、今まで色んな人がそう言った役割を進めてくれるたびに逃げ続けていたので、その人たちを一度信じてやってみようと自分自身で選択をした。

まだ自分の人生のテーマが何かはわからないけれど、今回のこの選択をしたことでそれを見つけるきっかけにもなればなと思っている。

最初に悩みなんかない方がいい、とは思ったけど書いているうちに毎日いろんな選択をしていく中でこれでよかったのか、次はどんなアプローチをしてみようと考え続けるのは嫌いじゃないなと思った。自分のテーマを見つけるため、自分の選択に自信を持つためにも少しだけ悩み続けることもしていこうと思う。

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