仕事の奥義❸ー自転車に習う
IPONCをお読みいただいた方は、基本を鍛錬してフレキシブルに動くことの大切さをご理解いただけたでしょうか。本稿ではIPONCとして安定したモデルの状態を作るため、どうすればよいか、コツを書きたいと思います。
安定したモデルは、長期的な目的と前提条件を考慮して解(Output)が得られるようにしましょう。
これでは何だかわかりませんよね。
自転車を乗る練習を思い出してください。お父さんやお母さんに言われたことは、何だったでしょうか?
手前を見ないで、遠くを見なさい。
と言われませんでしたか?
近くを見てしまうと、都度々の道路の状態や自分の体のバランスに気になりすぎて真っすぐに走れなくなります。
■そもそも遠くを見るってどういうこと?
仕事の上で遠くを見るとは、目的を明確にするということです。
目先のことにばかり追われて、本質を忘れている というような話をよく聞きませんか?
細かな変動に影響を受けたり、方向感を失いことが多くなります。
つまり、人は行動することに関して、目的をいつも意識することがとても大切です。
仕事で言えば、会社の目的は、収益やマーケットシェアを最大化することや、コストやムダを小さくすることでしょう。
今日や明日では出ないかも知れませんが、一年後には大きな収益が上がることもあるでしょう。どこを目指しているのかは、上司と一緒に見てみるのが良いでしょう。
■他の人が分かるようにしてみませんか?
どんなモデルなのかを他の人にもわかるようにすると、きっとアドバイスしてもらえます。
仕事の標準・手順を文字に起こしてみるということはよく言われますよね。
文章にする以外にも漫画にする、数字や式で表わしてみるなどがあります。
ここから数行は 飛ばして読んでもらっても構いません!!
今回は、数式で表すケースについて、少し詳しく書いてみますね。
目的関数とは数式です。最大化したいもの(利益、収益、効率など)または最小化したいもの(コスト、無駄、時間など)を数式で定義します。技術的には、目的関数は最適化問題を解くための中心となるものです。
目的を達成するために、結果を左右するために制御または調整できる変数があります。それを、決定変数と言います。
もう一つ重要なものに、制約条件と言うのがあります。
制約条件は、リソースの可用性、容量制限、規制要件など、現実世界における制限を表します。つまり、視座、視野に相当するもので、直近の成果を前提にしているのか、10年先を前提にしているのかによっては最適解が変わるからです。
特定の制約の中で、決定変数の値を色々と変えながら最適な答えがどこにあるのかを見つけ出す作業をケーススタディと言ったりもします。
■制約を特定しましょう
目的を達成するための前提条件をハッキリさせると、到達点が見えてきます。つまり、目標が設定できるようになります。時間制約、使える道具、対象の顧客などです。
簡単な数式を使えるモデルなら、エクセルのアドインを使って何をすれば目標を達成することができるかが色々と検討することができます。
■妥当性は必ず確認しましょう!
手順は必ず確認しながら確実にと言いますよね。
正しいと思っても、思わぬ落とし穴があるものです。手順や数式が使えるかどうかを色々と試してみましょう。
その際には、過去に起きた似たようなことで検証します。色々な決定変数を変え、制約条件を変えて考えたモデルが正しそうか、どれだけ外れそうなのかを見てみるのがイイと思います。
色々と試してみると、何をやったらどんな風に結果が変わるのか勘所が分かってきます。
■データの質を高めよう
生成AIでも学習データの質が悪いと、悪い答えしか出てきません。
昨年、マイクロソフトやグーグルが提供してくれたソフトを使ったときに、『こいつ!嘘ばっかり教えやがる!』と思ったものでした。
ところが、今年になって使ってみると、分からないところは分からないと白状してくれるようになってくれています。
自分の仕事のモデルも、質の高いデータで常にブラッシュアップ、つまり、プロセスを磨いていくことで、より質の高い成果が出せるようになります。
■まとめ
・できるだけ遠くを見て目的を考えてみましょう。
・他の人にもわかるようにしておくのは大切なことです。
・足し算・引き算の数式モデルを作ってみると、さらに使い手が良くなります。
・エクセル使えば最適解を求めることができます。
・色々と試してみて、感をつかんでいきましょう。
自分なりのより良い仕事のモデルを作り上げて下されば幸いです。
以上
松月
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