見出し画像

生成AIのつぎ @技術・ビジネス

昨年末から今年初めにかけての生成AIと半導体の価格急騰から恩恵を受けた人も多いでしょう。3月になって市場は反転し、落ち着いてきたように見えますが、これが復活の兆しと見るべきか、それとも終焉の序章なのかは、まだ定かではありません。
生成AIは適用拡大の段階へと移行し、多岐にわたるビジネス分野への展開が期待されています。しかし、その適用範囲の広さから、どの業界で何をどのようにビジネス化するかについて、投資家は焦点を絞ることに苦慮しているのではないでしょうか。

一般的にはビジネス安定性をみると、技術のプラットフォーム、インフラの寡占ができる企業が、技術適用の安定期には安定した成長を続けていくと思います。
ガートナー社のインフラテクノロジーのハイプサイクルを参考にして考えてみると、❶生成AIは幻滅期から啓発期に移行、❷デジタルヒューマンや空間コンピューティングなどの新しい技術が黎明期から旺盛の時期にさしかかってきます。

これらの技術の進化は早く、2~5年で状態が遷移して行くとみられています。

ガートナー社のハイプサイクル 抜粋

■生成AI技術のビジネス展開
生成AIのビジネスシーンへの活用は、さまざまな業態で進んでいる。そして、生成AIを適用するサポートビジネスも大小さまざまなベンチャーが扱っている。すでに過熱気味の気配さえあり、安定期に向けての移行が進んでいくと思われます。
ビジネスシーンでの活用例を挙げると、以下のようなものがあります。
 - 企業内の手順書やマニュアルの標準化
 - 倉庫や店舗の業務効率化、シフトの最適化
 - 物流現場での導線の最適化
 - 電気や機械設計の最適化
 - プログラミングやコーディングの自動生成

パナソニックの事例

生成AIの企業活動への適用をする企業もたくさん勃興しました。
生成AIバブルはピークを迎えており、ビジネス安定的フェイズで成長し続けられる企業がどれほどいるのか、とても興味深いところです。

企業例・・・
PKSHA Technology Inc.
AI inside
ドリーム・アーツ など

■生成AIが、デジタルヒューマンや空間コンピューティングへ進化

それでは、生成AIの次のビジネスチャンスは何なのでしょうか?

まず、デジタルヒューマン技術です。
コンピューターで人間そっくりの姿に作成されたリアルな3Dモデルが、AIによって制御され、人間に近い動きを再現します。実在の人物や架空のキャラクターなどを設定することが可能です。ビジネスの分野では、業務の効率化などのニーズを目的に導入することが可能になることでしょう。

医療の現場などでは、問診などの初期診断を精緻ですばやく行うことができるでしょうし、夜間診療、救急診療などにも役立つことが近い将来訪れることでしょう。

つぎに、空間コンピューティングは、仮想現実や拡張現実などの技術を現実世界と統合することで、バーチャル世界とリアルな世界を同時に動き回り、関わりを持つことができる技術です。

製品開発の初期段階で、顧客の体験や感覚に訴える共感を得ることが非常に重要です。物理的な製品を作ると時間がかかり、環境を整える必要があるなど、セットアップが複雑になりがちです。しかし、空間コンピューティング技術を利用することで、製品とサービスの開発を迅速に共有し、進行させることが可能になります。

ギズモード・ジャパン編集部 より

自動車のAR技術でも、既に色々な取り組みがされています。運転のための標識、スピード制限、NAVIのガイダンス情報や、クルマや人の飛び出しを予測して注意を促したりしてくれます。

CYVISIONサイトより 

CY Vision

■まとめ
バーチャル技術のデジタルヒューマンや空間コンピューティングは、あくまでもデジタル化の派生・発展技術だと思います。その進化を支えるのは、生成AIの基本技術と、高速半導体・データセンターだと思います。
ここ1~2年の熱烈な脚光の浴び方は、しないかも知れませんが、生成AIの基本技術や半導体の製造技術とビジネスは、今後も間違いなく成長を続けるでしょう。

また、その過程で、より効率的で省エネルギー、かつ迅速にリアルタイムで利用可能な技術が求められることになるでしょう。

投資という観点でみると、対象企業は収斂されていくことになるので、どこがプラットフォームを押さえているのかを見極めないといけません。
資本力や人の集まりやすさからみると、やはり、M7は外せません。そして、それ以外の企業も、政策関連事業をどこがを受注していくのかをしっかりと調査していかなければなりません。

以上
松月

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?