ラストオブアスは僕の心に穴を開けた
初めての感情に戸惑いを隠せなかった。
僕の心は確かに苦しんでいたし、悲しんでいた。だけど涙一粒すら溢れず、せめて泣けたのならこの心の空間ら埋まったと思う。
ただ僕はこのゲームをクリアした後、ぼーっとアホみたいに口を開けてただひたすらエンドロールと悲しげなエンディングを聴くほかなかったのだ。
だってゲームだからね。
本来ならクリアした達成感とか幸福感とかあって自分のこれまでのプレイをフラッシュバックさせて苦戦したチャプターとかおもいだしちゃったりして感動とか色々詰まってるはずなのにこのゲームだけはそうならなかった。
振り返ればこれまでのプレイはただただ悲しい。
思い出せば出すほど未だに塞がらない心の穴が気になって仕方なくなる。
靴ずれで擦りむいたかかとみたい。
擦りむいたかかとくらいならどれだけマシか。
ゲームってのは残酷でクリアするために試行錯誤、切磋琢磨して困難を乗り越え達成感に満ち溢れ感動するものなのに「こんな気持ちになる為にここまで頑張ったのか!?」と思わせてくれたのはゲーム故なんだろうな。
それが「ラストオブアス2」なのだ。
前作の「ラストオブアス」はこんな気持ちにはならなかった。むしろ感動したくらい。
主人公のジョエルに感情輸入しちゃって一緒に冒険する少女エリーに愛情を感じてた。
なので最後のジョエルの決断には感動した。これでよかったと納得した。
その続編の「ラストオブアス2」では前作での主人公ジョエルが子守をした少女エリーが大人になった話で、あのエリーが大きくなって今度は活躍するのかと期待し困難に立ち向かうエリーを操作しながら感情輸入してたら「これなんか違う」となった。「エリーこのままだと不幸になる」と薄々感じながらそれでもエリーはエリーなんだと言い聞かせプレイを続けた。
このシナリオはゲームにしたらダメなやつだ。
ゲームにしては重すぎる。プレイヤーの心を病ませてしまう恐れがある。
ゲームって映画と違って自分が操作するから感情の入り方がえげつないんですよ。
心を動かしてくるって意味ではこのゲーム最高のゲームなんですけどね。
なんか文句みたいに言ってるけど僕はラストオブアス2作品とも好きですよ。
ここから先は作品のネタバレあり
このゲームに正義も悪もない。ただの登場人物のドラマである。
誰が正しいのか、何が正しかったのかなんて考えだすとキリがないし、どうしようもない。
ラストオブアス1でもジョエルのした事は正しかったとは言えない。それが原因で2ではエリーとの関係に溝もできてた。
2でのエリーの復讐劇も正しいのか?と問われたら正しいとは言えない。
それはアビー編をプレイしていくうちに実感していく。アビー編に入るまでエリーに同情しながらプレイしていたはずなのにアビー編をプレイして行くうちにアビーを殺す理由がわからなくなってきて…それとは裏腹にストーリーはアビーとその仲間を殺す方へ展開していく。
いやもう辛すぎるでしょこれ。
辛すぎるしか言葉がでない。
複雑な心境でプレイするゲームも新鮮なもんですね。
エリーの復讐劇の結末はあまりにも虚無すぎた。本当に復讐から生まれるモノ、得られるモノって何もないですよね〜。
ギターも弾けなくなり
大切な人も失い
復讐劇も中途半端に終わり
このラストは虚無感と言う感情を与え、プレイヤーに大きな心の穴を空けてしまう。
ラストオブアスは僕の心に大きな穴を開けた。
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