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不倫、略奪愛、監獄の恋…昭和歌謡に描かれた、ワケアリな恋の歌!

5月5日放送回のテーマは、「切ない悲恋のおんな唄特集」。今回は、単に傷心や愛の終わりだけではない、少々込み入った事情の悲恋ストーリーや、昭和ならではの時代背景が垣間見れる歌がいくつもランクインしました。
そこで今回は、その裏話を少しご紹介しましょう。
 
     服役する彼との『再会』

市川由紀乃さんがカバーした『再会』は、ムード歌謡の女王と呼ばれた松尾和子さんのヒット曲。
この歌は、愛する人が監獄に入ってしまい、逢えなくなった寂しさを歌うという内容で、レコードジャケットには沈痛な面持ちで佇む松尾さんの背景に灰色の塀が写っており、そこが監獄の建物だとわかります。
題材自体がなかなか衝撃的ですが、実はこの歌には「再会の朝」と言う続編があり、服役を終えた恋人が出所する朝の様子が描かれています。
 
この日を指折り数えて待っていた主人公、ようやく鉄の扉が開き、ついに果たした再会の時。朝霧が晴れ、緑輝く並木道を再起に向けて歩き出す、と言う内容。どんな罪を犯したのかまでは語られていませんが、何はともあれ、お勤めご苦労様、なのでした。
 
  不倫ブームの時代を映す『恋に落ちて』

今どきは世間の風当たりが強い『不倫』も昭和歌謡にはよくあるテーマ。その中で、今回は『恋に落ちて -Fall in love-』がランクインしました。
昭和60年に発売されたこの歌は、当時社会現象にもなった大ヒットドラマ『金曜日の妻たちへIII』の主題歌。
その歌詞に、♪ダイヤル回して手を止めた♪とありますが、実は当時、すでにプッシュ式が主流の時代。ダイヤル式の電話はプッシュ式と違って、番号1つ1つ、ジーコロジーコロ指で回しては戻るまでやたらと時間がかかりました。作詞の湯川れい子さんは、その束の間に生まれる心の迷いを表現するため、あえてダイヤル式の電話を採用したのだそうです。
 
    略奪愛の辛い結末『さらば友よ』


一方、男性が主人公の『切ない悲恋の唄』についてのトークで盛り上がったのが、ゲストの森進一さんが挙げた自身の曲「さらば友よ」。
恋人を親友に奪われた男性主人公のかなりきつい情を描いた歌で、
♪お前にはこの恋をわかってほしい♪と親友に言われ、♪打ち明けてくれたのがせめての救い♪と自分を慰め、♪さらば友よ♪と訣別すると言う内容。
恋人と親友から受けた裏切りのダブルパンチ、察するに余りある痛々しい歌なのでした。
 
そんな聞くも涙、語るも涙の悲恋特集、5月5日(木)よる9時の放送をどうぞお楽しみに!


ゲスト:森進一  市川由紀乃  丘みどり  
 
構成作家 工藤ひろこ

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