生前整理前に必要な事(心を整理する)

 生前整理において整理するものは物だけではなく心が重要です。昭和市場では納得と満足の整理をサポートすることを最優先に考えているため、単純な物の処分だけではなく、整理の先を見据えたトータルな目的を寄り添い話ながら進めます。

 もちろん物を整理することでその後心が追いついてくる場合もありますが、これは後悔することも多々あります。整理する前にチェックしておくべきポイントがいくつかあるのですが、たいていの場合はそれを飛ばして進めてしまうことが原因です。
 本人が購入したものの処分であればまだリスクは少ないですが、本人以外の物の場合顕在化します。それは先祖代々の物や親や家族の物など、たいてい価値を知っているのは本人のみなので、家族では正しい価値鑑定が難しいためです。さらに実際に売却する場合の相場は、内容や程度などの状態や、時期によっても変動するため感覚をつかむ事自体が難しいのが現状です。
 となると一般の整理(買取)業者の場合、相場より高く買い取ってもらえることはまず無く、相場では高値で取引されているものなのに価値が分からないと踏まれると二束三文で買取られる場合も多くあります。一般に50万円で取引されているロレックスが1万円で買取られる事例も普通にありますが、価値が分からなければそれでも喜ばれていることさえあるのです(特に遺品整理の場合は横行しています)。こんなことを経験すると、安心して任せることができなくなり結局「あえて売らずにそのまま放置」となり、次の世代にツケを渡していくことになります。

 また旅行中に購入した民芸品やプレゼント品、大切にしていたぬいぐるみのように、物自体の価値は高くないけれど思い出とともに大切にしていたものの場合は第3者には無価値の場合もあります。そういった品を家族の同意もなく処分してしまった場合は、悪気が無くても家族関係の悪化は免れない場合もあります。そしてそれが大きな相続争いの種になることも。。。

 家財類でさえこのような状況ですから、貴金属や骨とう品、不動産、相続などを視野に入れると、それぞれの専門知識はもちろん、細心の注意を払いながら進めなければなりません。特に大きな額のものの場合、相続税や贈与税などにも関係し後に税務署に指摘されたり、相続申告をやり直さなければならない事さえ起こり得ます。また勝手な財産処分は、家族間の紛争の元となり遺産分割でもめてしまい致命的なダメージにもつながります。本当はそこまでを視野にいれつつ進めなければ、後悔しない生前整理を実現することは難しいのです。

 このように、生前整理は自分自身のことだけでなく家族など全体を見据えた上で進めていく必要があることはお分かり頂けると思いますが、まだまだ今までの「生前・遺品整理業者」は、家族までは気が回らず依頼者本人と直接、また買取や不用品回収(有料)、廃棄に限定され、また不動産や相続などを視野にサポートできるところが無いばかりか、火に油を注ぐ場合もありえます。上記リスクは全て、金融・不動産・税務知識と経験があればヘッジできる部分も多いため、それら専門知識を踏まえた上での物の整理に着手する、というプランニングが重要だと考えます。あらゆる視点からのリスクを洗い出し、本人にとっての「思い」を最大化するためのプランを考えて実行することが、本人はもちろん、家族にとっても最重要なことだと考えます。

 昭和市場ではこれらのことを依頼者に寄り添い、丁寧に説明しながら進めます。一般的に起こり得るトラブルのうち当てはまりそうなことを説明しつつ事前予防策にも対応します。自身にとっては小さなことや気づかなかったことが、家族からしたら大切なものを捨てられた恨みから不仲になる場合や、想像以上に高い整理費用の出費、また税務法務がらみで思わぬトラブルが発生することもあります。同じことをするにも「一言も相談なく進められた」という感情はトラブルの種ですが、逆にいうと「ちゃんと事前説明しておけば」済む事もあります。また整理の段階で見つかった昔のアルバムや8mmフィルムを全て保管するのは場所の問題がある場合も、それらをデジタル変換する事で家族で共有することもできます。そうすることで再び家族が昔を思い出して一致団結する、そんなきっかけも創ることもできます。

このように先手先手にリスクを潰しながら、一つ一つ進んでいくことで、心の整理も進んでいく、そんなサポートを進めて参ります。

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