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性交同意年齢あれこれ

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性交同意年齢に関する令和2年12月現在の問題意識をまとめました。
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2020年12月の記事一覧

刑事未成年や少年から性被害を受けたときの現実

刑事未成年や少年から性被害を受けたときの現実

現在の刑法41条は「14歳に満たない者の行為は、罰しない」と定めている。

14歳未満の者から、意に反した性交又はわいせつ行為をされた被害者からの相談を受けることがある。
性交にたとえ強制力があったとしても、12歳が、行為者が逮捕されたり、少年院送致された事案は見たことがない。全て児童相談所が対応している。
加害者複数の場合も少なくなかったが、少年院送致は見たことがない。※1

加害者と被害者が同

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若年者の脆弱性保護に関する外国の状況

ちょっと視点を変えて、他国の法制度は、若年者の脆弱性にどのような配慮をしているのかを見てみよう。

法務省で開かれている性犯罪に関する刑事法検討会において、調査対象となった国は、アメリカ(ミシガン州、ニューヨーク州、カリフォルニア州)、イギリス、フランス、ドイツ、韓国、フィンランド、スウェーデン、カナダである。
http://www.moj.go.jp/content/001323990.pdf

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現行法における若年者の保護

性交同意年齢に関して、note記事を公開した。https://note.com/shouwa/n/n3d7f5d2103f5

様々な反響があったが、その中で特に気になったのが、「現在の日本では13歳以上と性交するのはフリーパスである」という前提に基づく意見である。
制度が「ある」のに「ない」と誤解する人がいるのは、プロが説明すべきことを説明できていないからである。
申し訳ないし、胸がキリキリと痛

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性交同意年齢に関する現在の私見

現行刑法の強制性交等罪において、性交同意年齢は13歳である。
13歳以上の者に強制性交等罪が成立するには、暴行脅迫と性交等の事実が必要であるが、12歳の者に性交等した場合は、暴行脅迫が不要である。
暴行脅迫が不要であるどころか、被害者が同意したり、むしろ誘っていても、性交した者に強制性交等罪が成立し、大人に対する強制性交等と同じく刑の下限は5年である。

では、13歳以上の未成年者に性交した場合は

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